●四川大地震の犠牲となった小学生の親が中国政府に対し訴訟を提起(12/22IHT)
今年5月から始めた当ブログでは、同月12日に発生した四川大地震について「大正12年の関東大震災が事実上の昭和史の始まりであり大正デモクラシーと戦争への道の分水嶺であるのと同じように、中国経済における市場原理の導入と急速な経済成長の曲がり角となる出来事かもしれない」と喝破する一方、北京オリンピックが平和の祭典としての意義を如何にひけらかそうとも、その莫大な予算を震災の復興に充てるべきであるとも説いて参りました。
大地震直後は、犠牲者家族が中国政府の怠慢や不作為を罵る声を米欧メディアも取り上げてはいました。しかし、中国政府(軍隊や警察を含む)からの反撃や虐めを恐れた彼等の声は、皆、匿名で小声でした。同胞への殺戮として脳裏に刻まれる天安門事件に象徴される非民主国家の嘆かわしい一面。ところが、半年経過し、犠牲者家族の声が中国政府に対して真っ向勝負を挑むことになったことをインターナショナル・ヘラルド・トリビューンは伝えています。
中国政府の手抜きが指摘されているのは、学校建築の手抜きそのものと、活断層の調査の手抜きの二つ。
一方、
●米国経済のメルトダウンは、中国の経済モデルに光を与えた(12/22WSJ)
ウォールストリートジャーナル紙のコラムが、凋落する欧米型モデルと比較優位に立つ中国型モデルを対比するForeign Affair誌の分析を取り上げ、米国発金融危機は自国の経済失速だけでなく、これまで地球規模だったワシントンの影響力をも減衰しかねないとしている。
さて、四川大地震と言えば、フェニックス証券チャリティ・オペラ・コンサート。いよいよ開演まで一週間を切りましたが、お蔭様で日本橋公会堂は殆ど満席となる予定です。チケットの予約をしてくださったお客さま、チャリティの趣旨に賛同してくださり無理な条件で出演を快諾してくださった豪華キャストの皆さまに、重ね重ね感謝申し上げます。
2008年12月23日火曜日
2008年12月22日月曜日
サンタクロースは居る筈が無い
●持ち家を奨励したブッシュ大統領こそ住宅バブルの犯人(12/21IHT)
米国版財投機関であるファニーメイやフレディマックのあり方が問題である点についてちゃんと理解していたブッシュ大統領だったが。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙はブッシュ大統領就任の年(2002年)の演説「我々は暗闇に灯を点すことが出来る。庶民全員が家を持てるように、国家一丸となって働くことは希望の灯火の重要な一要素である」を引用。
●「副大統領の役割」で、チェイニー氏とバイデン氏に大きな隔たり(12/21IHT)
「無秩序な破綻はよろしくないが管理された破綻なら・・・」とのブッシュ大統領の発言から半日も経たずして、GMとクライスラーの救済策が発表され、日米メディアは暫定的とは言え急転直下発表された救済決定に週末振り回されていました。私が救済案骨子のなかで最も注目しているのは、無担保債権のうち三分の一を株式に交換するという要件Debt-Equity Swap。大口債権者と噂されるシティやバンカメにとって形だけでも資産の額面が維持されるかどうかが死活問題である中、DESは苦肉の策。GM、クライスラー救済と自動車産業が全面に出ているものの、米国大手商業銀行の救済というのが本筋であることを滲ませる内容だったと理解しました。
ところで、個人的に最も気になるニュースは、ウォールストリートジャーナル紙オンライン版がアラートメールで伝えた、
●ワーナー・ブラザーズ、YouTube上の全ての音楽・映像を引き上げることを決定(12/21WSJ)
著作権に絡むGoogleとの交渉が決裂。これを受けて、WB社CEOが発表。
都心の大手楽器屋でもアマゾンでも手に入らない御宝ソフトが、音質や画質は兎も角、無料で手に入るYouTubeは、やはりあり得る筈のないサンタクロースだったのか。
最後に宣伝!毎月、独り善がりなコラムを連載させていただいておりますマルコポーロ社『月刊FX攻略』。本日発売の今月号はFXZERO遠藤取締役との対談が巻頭を“飾って”おります。リーマンショック以降、円高の影に隠れて主要メディアが注目して来なかった不気味なドル高(対日本円を除く)。米国で予想される急速な利下げの下、不気味なドル高は不安定なドル高だと警戒しています。雑誌の対談やコラムは締切が早く、毎度毎度苦労しているのですが、今回も11月10日の収録だった割には、先を見通せたことが言えていたなと胸を撫で下ろしています。
当ブログでも時々取り上げたFX業界の問題や規制のあり方について、かなり危ないことも口走っておりまして、きっと編集過程で削除されるだろうと思いきや、しっかり残っております。是非是非書店でお求めください。
私の対談はさておき、リーマンショック後の世の中を様々な角度から分析している、質の高い記事群。『・・・攻略』という題名からは想像出来ないほど、真面目で為になる雑誌だと思います。
米国版財投機関であるファニーメイやフレディマックのあり方が問題である点についてちゃんと理解していたブッシュ大統領だったが。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙はブッシュ大統領就任の年(2002年)の演説「我々は暗闇に灯を点すことが出来る。庶民全員が家を持てるように、国家一丸となって働くことは希望の灯火の重要な一要素である」を引用。
●「副大統領の役割」で、チェイニー氏とバイデン氏に大きな隔たり(12/21IHT)
「無秩序な破綻はよろしくないが管理された破綻なら・・・」とのブッシュ大統領の発言から半日も経たずして、GMとクライスラーの救済策が発表され、日米メディアは暫定的とは言え急転直下発表された救済決定に週末振り回されていました。私が救済案骨子のなかで最も注目しているのは、無担保債権のうち三分の一を株式に交換するという要件Debt-Equity Swap。大口債権者と噂されるシティやバンカメにとって形だけでも資産の額面が維持されるかどうかが死活問題である中、DESは苦肉の策。GM、クライスラー救済と自動車産業が全面に出ているものの、米国大手商業銀行の救済というのが本筋であることを滲ませる内容だったと理解しました。
ところで、個人的に最も気になるニュースは、ウォールストリートジャーナル紙オンライン版がアラートメールで伝えた、
●ワーナー・ブラザーズ、YouTube上の全ての音楽・映像を引き上げることを決定(12/21WSJ)
著作権に絡むGoogleとの交渉が決裂。これを受けて、WB社CEOが発表。
都心の大手楽器屋でもアマゾンでも手に入らない御宝ソフトが、音質や画質は兎も角、無料で手に入るYouTubeは、やはりあり得る筈のないサンタクロースだったのか。
最後に宣伝!毎月、独り善がりなコラムを連載させていただいておりますマルコポーロ社『月刊FX攻略』。本日発売の今月号はFXZERO遠藤取締役との対談が巻頭を“飾って”おります。リーマンショック以降、円高の影に隠れて主要メディアが注目して来なかった不気味なドル高(対日本円を除く)。米国で予想される急速な利下げの下、不気味なドル高は不安定なドル高だと警戒しています。雑誌の対談やコラムは締切が早く、毎度毎度苦労しているのですが、今回も11月10日の収録だった割には、先を見通せたことが言えていたなと胸を撫で下ろしています。
当ブログでも時々取り上げたFX業界の問題や規制のあり方について、かなり危ないことも口走っておりまして、きっと編集過程で削除されるだろうと思いきや、しっかり残っております。是非是非書店でお求めください。
私の対談はさておき、リーマンショック後の世の中を様々な角度から分析している、質の高い記事群。『・・・攻略』という題名からは想像出来ないほど、真面目で為になる雑誌だと思います。
2008年12月19日金曜日
米ドルはどこまで腐敗するのか?為替介入はありやなしや??
●原油価格が急落、米国政府は自動車産業の破綻処理を熟考(12/18IHT+Reuter)
原油価格は9%下落し、過去4年の最安値を更新(1バレル36㌦)。OPEC減産合意と米国ゼロ金利政策導入にもかかわらず、世界経済の落ち込みが長く、そして深いとの懸念で。
米国自動車産業は、原油価格の乱高下の一番の犠牲者とも言えるが、政府による救済のプロセスの一部として破綻処理が持ち上がってきた。ブッシュ現大統領の「無秩序な破綻では衝撃が大きすぎる」との発言が、管理された破綻処理を現政権が真剣に検討し始めたとの憶測を呼んでいると。
一方、
●オバマ政権の新経済閣僚候補、最大で8000億㌦の財政出動を議会に提出(12/18WSJ)
減税、社会保障、学校建設、エネルギー効率化投資、ブロードバンド接続、健康情報分野の技術開発・・・と大枠が示されている。
米国の国内総生産は約12兆㌦と日本の約2.5倍。これに対する米国の公的債務は、今世紀に入ってからは対国内総生産比で40%弱を維持しており、同比率が160%~180%の日本と比べて遙かに健全。0.8兆㌦の追加財政出動など全く問題ない、と勘違いしてはなりません。
伝統的なマクロ経済学では、財政政策と金融政策の違いを強調し過ぎてきましたが、国債をどれだけ買うか売るかという調節手段に留まらず、民間企業の債務や株式、不動産(含む証券化商品、不良債権)まで中央銀行の貸借対照表に乗っかる可能性がある「代替的金融政策」の時代にあっては、財政と金融を区別することが殆ど無意味になってきています(我が国の「財政と金融の押し付け合い」やら「政府発行通貨が景気対策の起爆剤になる」という議論も、いつぞやのデノミ同様、意味の無いお祭騒ぎに過ぎません)。
つまり、米国の国家管理債務の金額を洗い出すうえで、FRB絡みのバランスシートの膨張もきっちり合算しなければ、米ドルという通貨の腐敗度合いを査定することは出来ないということです。
今年だけで、FRBはCP買い入れ枠1兆8000億㌦、入札方式による資金供給枠9000億㌦、住宅ローン消費者ローン対策枠8000億㌦をなし崩し的に意思決定しています。当ブログ独特の表現で金融機関モラルハザード案件では、FRBと政府とあわせて、AIG向け1500億㌦、シティグループ向け2500億㌦という超大口案件の影に隠れてベアスターンズ救済関連290億㌦も、今から思えば大した金額ではないものの3月当時は随分物議を醸したことを忘れてはならないでしょう。
以上は、未使用枠もあるので合算が難しい部分ですが、コミット済み(枠取り済み)の財政政策絡みではファニーメイ・フレディマック支援2000億㌦(住宅関連法案)、不良債権救済プログラム7000億㌦(金融安定化法案)が2大モラルハザード案件は当然のことながら合算されなければなりません。
今、筆者の手元にはないのですが、FDIC(連邦預金保険機構)をはじめとする公的機関や地方公共団体等の債務も考慮に入れる必要があります。この点、FDICはダントツに大口であり、今年、銀行債務と決済性預金の保証枠1兆9000億㌦が決定しています。
繰り返しになりますが、枠取りはされても未使用部分があちこちにあるため全部を合算させては可哀想ですが、以上がなし崩し的に使用されると、公的債務/国内総生産の比率は、どんどん我が国の水準に収斂すべく悪化すると見るべきです。
ただし、公的部門の「バランスシート」と呼ぶくらいで、負債があればその反対側には資産があるわけで、資産の質を問わずして負債の額だけで通貨の腐敗を決め付けることは論理的ではありません。《銀行の不良債権を時価以上で政府または中央銀行が買い上げてやり含み損または実現損部分を増税ではなく赤字国債でファイナンスし、その国債を中央銀行が買い切りオペで現金化する》タイプのポリシーミックスが財政出動策に占める割合が大きければ大きいほど、その国の通貨はハイパーインフレ等の経路を通じて坂道を転げるように腐敗すると言わざるを得ません。
昨日夕刻以降、中川財政相の為替介入を仄めかす発言等で、一時急激な円高是正がありました。但し、為替介入が日銀単独に留まり、協調介入が成立しないとなると、「(欧州や中国を見習って)米ドルの“腐敗化政策”を意図的に取ろう(政権交代のドサクサに紛れて、敢えて明言は避けつつ、ドル高政策を180度転換しよう)」という自国通貨の切り下げ合戦Dirty Floatへの宣戦布告だと読み取らなければならないでしょう。
今朝の二つの記事は、米国の政権交代が保護主義に向けて思い切った舵取りが切られるかも知れないという文脈で読み解く必要があります。
原油価格は9%下落し、過去4年の最安値を更新(1バレル36㌦)。OPEC減産合意と米国ゼロ金利政策導入にもかかわらず、世界経済の落ち込みが長く、そして深いとの懸念で。
米国自動車産業は、原油価格の乱高下の一番の犠牲者とも言えるが、政府による救済のプロセスの一部として破綻処理が持ち上がってきた。ブッシュ現大統領の「無秩序な破綻では衝撃が大きすぎる」との発言が、管理された破綻処理を現政権が真剣に検討し始めたとの憶測を呼んでいると。
一方、
●オバマ政権の新経済閣僚候補、最大で8000億㌦の財政出動を議会に提出(12/18WSJ)
減税、社会保障、学校建設、エネルギー効率化投資、ブロードバンド接続、健康情報分野の技術開発・・・と大枠が示されている。
米国の国内総生産は約12兆㌦と日本の約2.5倍。これに対する米国の公的債務は、今世紀に入ってからは対国内総生産比で40%弱を維持しており、同比率が160%~180%の日本と比べて遙かに健全。0.8兆㌦の追加財政出動など全く問題ない、と勘違いしてはなりません。
伝統的なマクロ経済学では、財政政策と金融政策の違いを強調し過ぎてきましたが、国債をどれだけ買うか売るかという調節手段に留まらず、民間企業の債務や株式、不動産(含む証券化商品、不良債権)まで中央銀行の貸借対照表に乗っかる可能性がある「代替的金融政策」の時代にあっては、財政と金融を区別することが殆ど無意味になってきています(我が国の「財政と金融の押し付け合い」やら「政府発行通貨が景気対策の起爆剤になる」という議論も、いつぞやのデノミ同様、意味の無いお祭騒ぎに過ぎません)。
つまり、米国の国家管理債務の金額を洗い出すうえで、FRB絡みのバランスシートの膨張もきっちり合算しなければ、米ドルという通貨の腐敗度合いを査定することは出来ないということです。
今年だけで、FRBはCP買い入れ枠1兆8000億㌦、入札方式による資金供給枠9000億㌦、住宅ローン消費者ローン対策枠8000億㌦をなし崩し的に意思決定しています。当ブログ独特の表現で金融機関モラルハザード案件では、FRBと政府とあわせて、AIG向け1500億㌦、シティグループ向け2500億㌦という超大口案件の影に隠れてベアスターンズ救済関連290億㌦も、今から思えば大した金額ではないものの3月当時は随分物議を醸したことを忘れてはならないでしょう。
以上は、未使用枠もあるので合算が難しい部分ですが、コミット済み(枠取り済み)の財政政策絡みではファニーメイ・フレディマック支援2000億㌦(住宅関連法案)、不良債権救済プログラム7000億㌦(金融安定化法案)が2大モラルハザード案件は当然のことながら合算されなければなりません。
今、筆者の手元にはないのですが、FDIC(連邦預金保険機構)をはじめとする公的機関や地方公共団体等の債務も考慮に入れる必要があります。この点、FDICはダントツに大口であり、今年、銀行債務と決済性預金の保証枠1兆9000億㌦が決定しています。
繰り返しになりますが、枠取りはされても未使用部分があちこちにあるため全部を合算させては可哀想ですが、以上がなし崩し的に使用されると、公的債務/国内総生産の比率は、どんどん我が国の水準に収斂すべく悪化すると見るべきです。
ただし、公的部門の「バランスシート」と呼ぶくらいで、負債があればその反対側には資産があるわけで、資産の質を問わずして負債の額だけで通貨の腐敗を決め付けることは論理的ではありません。《銀行の不良債権を時価以上で政府または中央銀行が買い上げてやり含み損または実現損部分を増税ではなく赤字国債でファイナンスし、その国債を中央銀行が買い切りオペで現金化する》タイプのポリシーミックスが財政出動策に占める割合が大きければ大きいほど、その国の通貨はハイパーインフレ等の経路を通じて坂道を転げるように腐敗すると言わざるを得ません。
昨日夕刻以降、中川財政相の為替介入を仄めかす発言等で、一時急激な円高是正がありました。但し、為替介入が日銀単独に留まり、協調介入が成立しないとなると、「(欧州や中国を見習って)米ドルの“腐敗化政策”を意図的に取ろう(政権交代のドサクサに紛れて、敢えて明言は避けつつ、ドル高政策を180度転換しよう)」という自国通貨の切り下げ合戦Dirty Floatへの宣戦布告だと読み取らなければならないでしょう。
今朝の二つの記事は、米国の政権交代が保護主義に向けて思い切った舵取りが切られるかも知れないという文脈で読み解く必要があります。
2008年12月18日木曜日
剥がれ落ちたアメリカン・プレミアム
●対日本円以外での“秋の米ドル高”は長続きしなかった(12/17IHT)
クロス円のFXだけに慣れていらっしゃる方にとっては何のことやらさっぱりかも知れません。リーマンショック以降、国内の殆どのメディア(含む経済専門メディア)は為替相場を円高ドル安と説明し続けていたからです。
しかし、良く見ると、昨夜ドルは対円で87円台前半と1995年以降では最安水準を更新している一方、FXに関心を持っていただいている多くの皆さんの目に焼きついているユーロ円の110円台やオーストラリアドルの50円台、ニュージーランドドルの40円台という「円高に加えて“ドル高”」は大きく是正されているのです。
勿論、一昨日のFOMCでの想定外の利下げ、米国初のゼロ金利政策も、対円以外でのドル高終焉に寄与していることは事実ですが、このFOMCの動きの前後から極端すぎた信用収縮による銀行間金利の政策金利からの乖離幅が多少なりとも落ち着いてきたことが、ドル調達時の過剰なキャリー費用バブルを沈静化させ、皮肉なことに、ドルの全面安を招いたというのが本質であると考えられます。
先ほど、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンの記事で引用をした1995年という年は、逆に日本円が全面高だった局面で、日本発金融不安によるジャパンプレミアム(注)が発生した年でもある点、極めて判りやすい比較対象となっています。
当ブログの予想を信じて、米ドルを売り、オセアニア通貨等を買っていたFXのお客さま。金利も、為替差益も手に入れられ、おめでとうございます。一進一退を繰り返しながら、この傾向は暫く続くのではないでしょうか。
●クライスラー、全工場を1ヶ月操業停止に(12/17WSJ)
●モルガンスタンレー、23.6億㌦の四半期赤字-ゴールドマンサックスに続き(12/17WSJほか)
(注)当時は日本銀行の政策金利は未だ公定歩合だったので、現在の米国政策金利(FF金利)⇔銀行間金利(米ドルLIBOR等)と直接は比較できませんが、政府短期証券の利回りや欧州等オフショア市場での円短期金利(BBALibor等)と比べて東京銀行間金利(TIBOR)が異常に高かった現象
クロス円のFXだけに慣れていらっしゃる方にとっては何のことやらさっぱりかも知れません。リーマンショック以降、国内の殆どのメディア(含む経済専門メディア)は為替相場を円高ドル安と説明し続けていたからです。
しかし、良く見ると、昨夜ドルは対円で87円台前半と1995年以降では最安水準を更新している一方、FXに関心を持っていただいている多くの皆さんの目に焼きついているユーロ円の110円台やオーストラリアドルの50円台、ニュージーランドドルの40円台という「円高に加えて“ドル高”」は大きく是正されているのです。
勿論、一昨日のFOMCでの想定外の利下げ、米国初のゼロ金利政策も、対円以外でのドル高終焉に寄与していることは事実ですが、このFOMCの動きの前後から極端すぎた信用収縮による銀行間金利の政策金利からの乖離幅が多少なりとも落ち着いてきたことが、ドル調達時の過剰なキャリー費用バブルを沈静化させ、皮肉なことに、ドルの全面安を招いたというのが本質であると考えられます。
先ほど、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンの記事で引用をした1995年という年は、逆に日本円が全面高だった局面で、日本発金融不安によるジャパンプレミアム(注)が発生した年でもある点、極めて判りやすい比較対象となっています。
当ブログの予想を信じて、米ドルを売り、オセアニア通貨等を買っていたFXのお客さま。金利も、為替差益も手に入れられ、おめでとうございます。一進一退を繰り返しながら、この傾向は暫く続くのではないでしょうか。
●クライスラー、全工場を1ヶ月操業停止に(12/17WSJ)
●モルガンスタンレー、23.6億㌦の四半期赤字-ゴールドマンサックスに続き(12/17WSJほか)
(注)当時は日本銀行の政策金利は未だ公定歩合だったので、現在の米国政策金利(FF金利)⇔銀行間金利(米ドルLIBOR等)と直接は比較できませんが、政府短期証券の利回りや欧州等オフショア市場での円短期金利(BBALibor等)と比べて東京銀行間金利(TIBOR)が異常に高かった現象
登録:
投稿 (Atom)