2008年12月18日木曜日

剥がれ落ちたアメリカン・プレミアム

●対日本円以外での“秋の米ドル高”は長続きしなかった(12/17IHT)
クロス円のFXだけに慣れていらっしゃる方にとっては何のことやらさっぱりかも知れません。リーマンショック以降、国内の殆どのメディア(含む経済専門メディア)は為替相場を円高ドル安と説明し続けていたからです。

しかし、良く見ると、昨夜ドルは対円で87円台前半と1995年以降では最安水準を更新している一方、FXに関心を持っていただいている多くの皆さんの目に焼きついているユーロ円の110円台やオーストラリアドルの50円台、ニュージーランドドルの40円台という「円高に加えて“ドル高”」は大きく是正されているのです。

勿論、一昨日のFOMCでの想定外の利下げ、米国初のゼロ金利政策も、対円以外でのドル高終焉に寄与していることは事実ですが、このFOMCの動きの前後から極端すぎた信用収縮による銀行間金利の政策金利からの乖離幅が多少なりとも落ち着いてきたことが、ドル調達時の過剰なキャリー費用バブルを沈静化させ、皮肉なことに、ドルの全面安を招いたというのが本質であると考えられます。

先ほど、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンの記事で引用をした1995年という年は、逆に日本円が全面高だった局面で、日本発金融不安によるジャパンプレミアム(注)が発生した年でもある点、極めて判りやすい比較対象となっています。

当ブログの予想を信じて、米ドルを売り、オセアニア通貨等を買っていたFXのお客さま。金利も、為替差益も手に入れられ、おめでとうございます。一進一退を繰り返しながら、この傾向は暫く続くのではないでしょうか。

●クライスラー、全工場を1ヶ月操業停止に(12/17WSJ)
●モルガンスタンレー、23.6億㌦の四半期赤字-ゴールドマンサックスに続き(12/17WSJほか)


(注)当時は日本銀行の政策金利は未だ公定歩合だったので、現在の米国政策金利(FF金利)⇔銀行間金利(米ドルLIBOR等)と直接は比較できませんが、政府短期証券の利回りや欧州等オフショア市場での円短期金利(BBALibor等)と比べて東京銀行間金利(TIBOR)が異常に高かった現象

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