2010年7月13日火曜日

「転調」だけではなかった“妙なる調和“-モーツァルト歌劇「ドンジョヴァンニ」

きのうの記事の続きです。


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「転調」とは違うのですが、モーツァルトは、フィガロの結婚で、妙なことをやっています。これは前例があるかどうか確かめておりません。

オーケストラ伴奏と歌とで、調性が違うのです。但し、遠い調性では不可能なので、5度違うだけ(臨時記号1個分に過ぎない)です。

問題の箇所は3幕フィナーレ
http://www.youtube.com/watch?v=hiGubCkAwu4

Eccola marcha andiamoで始まるフィガロの独唱の12小節。オペラらしくない単調なガヴォットにしか聴こえない割には、難しい箇所なのです。

したがって、オケだけ聴くと別の舞曲のように聴こえます。

場面は、ドンジョヴァンニ同様(!?)放蕩児のアルマヴィーヴァ伯爵の怒りを無視して、家来であるフィガロがスザンナとの結婚式を急ごうとし、「ほら、結婚行進曲が流れてきたじゃないっすか。皆さん、参りましょう」という場面。

夫婦関係が冷め切っているにもかかわらず嫉妬心と猜疑心だけは立派に持っている伯爵。その怒りに火がついたのは、その妻(伯爵夫人)と小姓ケルビーノとの関係を疑惑すべき証拠が、スザンナの伯父である庭師アントニオによって暴露されたからです。
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