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2021年12月24日金曜日

昭和の選択・・・1941日本はなぜ開戦したのか

アヴァトレード・ジャパンの実質的親会社があるイスラエルは通常金曜日と土曜日が休息日なのです。

それで、昨日、一日早いのですが、冗談半分で「メリークリスマス」と打電しました。

要件は、来たる年2022年にじっくり取り組んでもらおうと考えていた「不正インターネットアクセス防止策」について、です。

まだ年も明けていないのに、

「出金パスワード」

「MT4/5にログインしましたか?お客様でない場合は、『いいえ』を・・・」

「MyAVA(マイページ)にログインしましたか?・・・」

などのテストを行ってくれていて、それに関する質疑応答でした。

案の定「メリークリスマス」に関しては、完全にスルーをされております。仕事はしてくれています。

イエスキリストさんにとっては、「最後の晩餐」の向かって右端のユダが裏切者だった一方、ユダヤ教徒にしてみればキリスト(教徒)は異端ということになります。

「メリークリスマス」とあいさつされてうれしいはずがありません。

こういう場合に備えて「ハッピーホリデーシーズン」という無難なあいさつがあることを知っていて、あえてメリクリと呼ぶ私はへいくゎいものです。

さて、ナチスドイツとは軍事同盟の関係にあったにもかかわらずその占領下からのユダヤ人難民を助けたとされる杉原千畝はとても有名です。

杉浦ほどではないですが、まさに日独伊三国同盟を手ずから締結した時の外相松岡洋右も、実に積極的にユダヤ人救済に動いた人物でした。しかも、彼は米国で教育を受けたキリスト教徒であったにもかかわらず、です。

それは満鉄総裁時代の松岡の行動であったに過ぎないかも知れませんが、ナチスドイツとの軍事同盟締結後も、「日本は反ユダヤを採らない」「これは日本の総意である」と言明しているほどです。

先週のAVAニュースレター+社長ブログで取り上げた、80周年の真珠湾攻撃ですが、これを扱ったNHKの「昭和の選択」という2時間番組では、

ざっくり言うと(歴史に「たられば」はないと言うものの)

松岡が一蹴した「日米諒解案(野村*提案)」は、のちに最後通牒と解されるハル・ノートに比べたら格段に日本有利な内容だっただけに、

国力と兵力で格段の差がある以上、とにかく対米戦争を避けたいという共通理解をしている昭和天皇とその側近木戸幸一、陸軍海軍首脳部(含む東条英機陸軍大臣→総理大臣)としては、

《我の強い》松岡の暴走を止められなかったのは痛恨の極み(それどころか理不尽なことにそのせいでA級戦犯となっている)ということになるでしょう。

☀☀

いつのころか「失敗学」というのが流行っていましたね。

この番組(「英雄たちの選択」>「昭和の選択」)のレギュラーメンバーのひとりで脳科学者の中野信子さんは、日米交渉さなかの1941年の我が国の政策決定中枢の意思決定について、経済学用語でもあるサンクコスト(埋没費用)やプロスペクト理論を用いてコメントしていました。

これ、まさに、多くのFX(に限らないですが・・・)トレーダーが陥る心理的な罠です。

昭和史<日本史への関心は兎も角、FX教室のような意味合いでも、皆様、是非ご覧ください(NHK+などで動画配信されているようです)。

☀☀☀

おそらくヤマト政権成立以降最大級の「失敗学」について、80周年のこんにち、2時間の特別企画というのは快哉です。

ただ、どれだけ時間をとろうと、客観的で公正さを追求しようと、テレビには限界があります。

いや、テレビだけでなく、司馬遼太郎先生のような、小説家としてだけでなく、歴史家としても優れた天才の著作ですら、不特定多数を相手にわかりやすくという利益を追求すると、どうしても、歴史のストーリー(これ変な表現ですが)には、主役と悪役という構成をとってしまいがちです。

NHK>「昭和の選択」>真珠湾では、先述の松岡洋右こそが、大悪役という烙印を押されています。

しかたないとは思います。が、特に近現代史でこれをやってしまうのはあまりにアンフェアな感じもします。

大悪役を演じさせるのならば、総合的な人物像を描いてあげる必要はあろうかと。ただ、それでは2時間でも足りないということになるでしょう。

松岡が「日米諒解案(野村*提案)」を蹴ったのは、部下であるはずの野村駐米大使のスタンドプレーを詰ったからとか、自らの日独同盟締結という成果とおみやげをもってすれば、対米でもっと強気な講和が可能であると考えたからでも実はなくて、「米国の諒解案(「満州は認める」を含む)が案の全体とは思えない。米国の提案内容はもっと厳しいもののはずだ。野村は全部を自分に報告していないのではないか」ということだったようです(公文書に記録あり)。

この出展はWikipedia経由ですが、WikipediaとNHKとでは、我が強いという松岡の性格(Wikipediaによれば、それは松岡の米国武者修行中の苦労やそこで覚えたコカイン中毒などに帰せられるとの説明もあり)については共通しています。が、対米スタンスということでは、ふたつの説明はめちゃくちゃニュアンスが異なるということになります。

なので、時間があれば、松岡洋右野村吉三郎*については、Wikipediaもあわせ読まれることをおすすめいたします。


2012年3月15日木曜日

ゴールドマンサックス退職社員の捨て台詞

チャールズ・チャップリンの自己評価としては最高傑作だったという「殺人狂時代」という映画。不世出の映画監督 兼 喜劇俳優 兼 ・・・・ が「赤狩り」に遭い、ハリウッドを追い出されるキッカケになったともされる作品の最後の部分で、死刑台に登る主人公が発する言葉が、

「一人殺すと殺人犯、百万人殺すと英雄、、、」

One murder makes a villain; millions a hero.

というものです。

いまでは代表的な構造不況業種となってしまった証券業界や商品先物業界ですが、かつては大儲けした時代もありました。その時代に巡り逢っていたかったとは必ずしも思わないし、またその時代も、方法も、業種、規模、個社によりけりで、決して一括りにしようとは思いません。

が、ある時期、あるカルチャーを共有していたグループは、証券と先物共通の「方法」を濫用してきたこと(で資本蓄積に成功したが、いまはそれを食い潰しているだけであること)を多くの経験者や内部者が認めていると思われます。今様に格好良く言えば、ビジネスモデルの一種なのかも知れません。

良くもあしくも投資家の自己責任というカルチャーが根を下ろしていない我が国では、自称人権弁護士の動きもあり、立法行政の対応も早く、このようなビジネスモデルは殆ど死に絶えています。

それはそれで良かったのだと思いますが、何故それが世界規模で行われていると無罪放免なのか、否、それどころか就職人気ランキングも含めた超セレブ企業と崇め奉られるのか、ここ5~6年腑に落ちない状態でした。

そこに来て、今朝飛び込んできたニュースが、題意の告発文。悪徳資本主義批判はニューヨーク・タイムズの真骨頂です。
http://www.nytimes.com/2012/03/14/opinion/why-i-am-leaving-goldman-sachs.html

この内部告発か外部告発かの端境とも言える動きに対して、ゴールドマンサックスの対応の状況をウォール・ストリート・ジャーナルが報道しています。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304692804577281252012689294.html?mod=WSJ_hp_us_mostpop_read

日本のメディアもこの時間帯それぞれ取り上げていますが、一番早かったのはコチラのブログか。
http://markethack.net/archives/51808686.html
きょうのブログのテーマである「マペット」とは何ぞやを動画で解説してくれています。

ちなみに、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事の中でも、「マペット」の解説がありまして、

"Muppet" is a British slang term for "idiot" and is sometimes used on Wall Street trading floors to denigrate an opposing trader.

英国の俗語で「馬鹿な奴」を意味し、しばしばウォール街のディーリングルームで売買相手となるディーラーを指して(つまり自分が売りたいものを買ってくれる相手に対して)使われる

とのことです。
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2012年2月6日月曜日

アラブの春が中国に近づきつつある

ニューヨーク・タイムズ紙オンライン版のなかのブログです。

http://rendezvous.blogs.nytimes.com/2012/02/05/the-arab-spring-is-coming-to-china/

ミュンヘンで開催中の世界安全保障会議の中での一幕。よくもまあ、こんなパネルディスカッションが成立したなあと思わせる構成員は、4年前の米大統領選でオバマ現大統領の対立候補だった共和党のマケイン上院議員と中国の外務副大臣、そしてなんとコーディネーターを、かのキッシンジャー元国務長官(筆者の世代以前には極めて印象の強いニクソン政権の最重要人物のひとり)が務めています。

ベトナム戦争の終結、金兌換停止、変動相場制への移行という当ブログが扱うべき重要テーマにおいてもニクソン=キッシンジャー体制は大いに研究すべきテーマであるし、最近話題の映画のタイトルロールであるエドガー・フーバーとの絡み合いもまた米国史の暗部ということで熱い視線を送りたい部分です。
http://phxs.blogspot.com/2010/02/blog-post.html
http://phxs.blogspot.com/2010/02/blog-post_05.html
http://phxs.blogspot.com/2010/02/blog-post_26.html
http://phxs.blogspot.com/2010/03/blog-post_08.html

それにしても、核開発疑惑でイラン経済制裁という点でも、米国(+欧州+日本)と対立している中国(+ロシア+インド)が、事実上の戦争である(BBC)とも言われるシリアにおいても安保理決議でロシアとともに拒否権を発動している状況のなかで、この企画が中止にならなかっただけでも十分有意義ですが、マケイン氏が「敵国」の外務官僚のナンバー2に面と向かって「(チベットで相次ぐ焼身自殺が、チュニジアのジャスミン革命の触媒となったのと同じように)中国にアラブの春がもたらされつつある」と言い切ったのは非常な重みがあると思います。

さて、中国の外務副大臣はどう言い返したでしょうか?「中国でアラブの春というのは幻想を超えるばかげた発想だ。。。中国は100年以上も外国勢による侵略と占領に屈してきたのだから、内政干渉に対しては黙っていないぞ」。

後段の部分は、北朝鮮からもよく聞こえてくる科白です。

イランとシリアを契機とした大国間の対立軸は、ソビエトやベルリンの壁が壊れる前の構図に戻った感もあります。ただし、もちろん大きく違うのは経済や情報技術であり、今は中国は、深刻なバブル崩壊の真っ只中かも知れませんが、社会主義が建前、資本主義が本音、より正確には半奴隷制、という2つないし3つの顔を持つ得体の知れない国へと変貌していることに注意が必要です。
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2011年12月13日火曜日

MFGlobalのジャンク国債をジョージソロス氏が購入

先週の金曜日にフィナンシャルタイムズ紙が速報で伝え、日経新聞も囲み記事で追随した内容です。

ジョージソロス氏については、フィナンシャルタイムズ紙で過去何ヶ月にも亘って、ユーロ応援演説をぶってきました。

10/11(金)「ジョージソロス氏のユーロ防衛発言は続くが・・・」

ポンド危機でもアジア危機でも標的通貨の売り崩しから大儲けを果たした同氏が、今回は珍しく弱り目に祟り目のユーロを守る発言をしつこく繰り返すのは、ユーロ、かつまたは、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルなどのジャンク化した国債の買い建て故のポジショントークか、または氏の出自に由来する平和哲学か、という話を、約2ヶ月前にいたしました。

一方、日本国内のFX会社を買収するなど世界規模に事業展開をしていた金融ブローカー大手のMFグローバルの倒産では、

MF Globalの倒産が、リーマンショックよりもショックだった理由


日本のFX会社にとっての全額信託保全と同様、顧客資産の分別保管義務があるにもかかわらず、ジャンク化しつつあった欧州各国の国債の買い建てにより自己ポジションの超過利潤源にしようと試みた結果、ジャンク化がより一層進んだために、自己資金での穴埋めが出来ないどころか、株価急落⇒倒産⇒顧客資産の返還に殆ど応じることが出来ない状況になったというものです。

この不良債権としての欧州国債ポートフォリオが巨額すぎるため、この倒産処理(≒残余財産の処分)を市場で単純にオークション的に行なうと消化不良を起こす(暴落が暴落を加速させる)という配慮が働き、大手投資家に相対(あいたい)で打診するという形式をとったのだと考えられます。

そしてそのなかでもっとも強い関心を示し、見事、買い付けに成功したのがジョージソロス氏だったということです。オークションに譬えれば、落札したのがソロス氏であったということです。

報道の時点では、ソロス氏が購入した大底(?)値よりも市況が回復しているので、かなりの利益が出たと言われています。しかしこれがまたしても「ハゲタカ行為」であったと断定できないのは、上述のように、ユーロと欧州各国国債の売り崩しをしていたという証拠がないからです。ほんとうに悪質なら、口ではユーロと欧州各国の財政を守るべきと言いながら、やっていることは正反対(同資産の空売り)ということも考えられなくはありませんが・・・・

言い換えれば、ソロス氏の投資行動が、ショートカバーによる利食いなのか、ロングポジションのナンピンなのか、ハッキリしません。

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2011年11月4日金曜日

MF Globalとギリシャは根っこが同じ!?

MF Globalが、倒産する2年も前から、債務の残高を偽って公表していたことが判明したと、ただいまウォールストリートジャーナルが臨時ニュースで伝えました。

同様の粉飾をしていたことが明るみになって欧州から世界を震撼させているのがギリシャです。

その粉飾のお手伝いをしていたのがゴールドマン・サックス。ブローカー・ディーラーの域を超えて、博打で利益を嵩もうとしていたMF Globalの社長も同社の出身。

決してわたしはユダヤ系金融が諸悪の根源だという理論に与する立場ではありません。我が国の大手金融機関の体たらくを見ていると、いまだに彼らに学ぶ点が多いことに驚かされるからです。

しかし、失敗事例を研究すると、リーマンブラザーズもMF Globalも、利益作りの中身は、ミセス・ワタナベ流の初歩的なキャリートレードと本質的な違いがない ことがわかります。
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2011年10月31日月曜日

元ゴールドマンのクオンツ物理学者、ウォール街の偽善嘆く

10月31日付ブルームバーグの書評です。

ゴールドマンサックス・グループでクオンツファイナンス責任者を務めた素粒子物理学である著者のことば、

「リスクを取らずに成果が出せると思うな、損失の可能性なしに利益が得られると考えるなとわれわれはかつて教えられてきた」

にもかかわらず、

「今は縁故資本主義、利益は個人のもの、損失は社会で共有という現状、企業助成政策などを甘受している」

という箇所は、特にリーマンショック後の、米国政府による見境のない市場経済への国家関与をさしていると思われます。筆者のいうとおりですが、モラルハザードという点で日本のほうがより深刻であることをわれわれは反省しなければならないと思います。

古くはダイエーにはじまったモラルハザードは、JAL,東京電力へと続こうとしています。企業という形をしていないかも知れませんが、農業、医療、介護・・・もまたモラルハザードの根城です。

共産主義よりも資本主義のほうが優れた制度であるという命題には、モラルハザードが起きないという前提があることを忘れてはなりません。
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2011年10月13日木曜日

ジョージ・ソロス氏のユーロ防衛発言は続くが・・・

ここ数カ月続いたユーロ危機が小康状態になった一週間ですが、この間フィナンシャルタイムズに幾度もユーロ防衛(応援)発言を繰り返してきたジョージ・ソロス氏。(ロンドン時間の)今朝も

「まだまだ(現在のEFSF合意だけでは)不安である。・・・

・・・地雷原を潜り抜けてユーロが守られるために各国首脳が取るべき手段はこの狭い道しかない」

という論稿をあげています。

不世出のヘッジファンドのマネージャーによる執拗なまでの「ユーロ圏はかくあるべき」発言は、自らのユーロ買い越し(かつまたは南欧系諸国の国債のキャリー)ゆえのポジショントークとも考えられ、だとするとこの1週間の戻りでもまだ満足できない水準だということでしょうか。

1997年のアジア通貨危機や、更に遡って1992年のポンド危機の時の振るまい、その背景に「通貨が売られるには合理的な理由がある」という正論染みた哲学と比べると、この間の氏のFTへの論稿には違和感を覚えました。

尤も、氏のポジショントークは、好意的に捉えれば、アジアやイギリスでやったことをユーロ圏(≒EU)で繰り返して三匹目のドジョウを狙うのは、世界平和の観点から洒落にならないという人道的な配慮とも見られなくもありません。が、いずれにしてもその中身は、その執筆意図に反して、何故この先もヨーロッパは危機と背中合わせなのかを明確に示しています。

氏が描いている処方箋を裏読みすれば、欧州の銀行は乾布摩擦をする予定だったのが、国立病院のなかで肺炎が蔓延してしまっているという状況のようです。
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