粉飾、損失飛ばし、株価急落、、、という話では必ずしもありません。
某スポーツ新聞の見出しみたいで恐縮です。
日本のメディアが、何故か、躊躇して取り上げなかったオリンパス問題を白日のもとに曝した月刊「ファクタ」が、次にメスを入れた巨大金融機関の話です。
http://facta.co.jp/article/201201020.html
いまでこそ、新聞・テレビ等、旧来型メディアも大きく取り上げるようになってきていますが、蟻の一穴をこじ開けたファクタに対する評価は、内外から著しく高まっています。
その鋭い舌鋒が向かった先が野村証券などであることは、日本だけではないにせよ、ディーラー・ブローカーのビジネスモデルの劣化がいかにすさまじいかを物語っています。単に、リーマン買収が失敗だった云々という、時の運の話ではないのです。
それにしても、オリンパス問題、例えば日経新聞もかなりキャッチアップしてきているとはいえ、①財テク失敗による損失額、②M&Aを使った損失繰延規模、③現時点での粉飾額が、どう読んでも整合的に理解できないのは、きっと鋭意書いていらっしゃる新聞記者の方々としても忸怩たる思いに違いありません。
つまり、まだ奥のほうに、開き切っていない扉があると推定されるのです。
2011年12月21日水曜日
2011年12月13日火曜日
MFGlobalのジャンク国債をジョージソロス氏が購入
先週の金曜日にフィナンシャルタイムズ紙が速報で伝え、日経新聞も囲み記事で追随した内容です。
ジョージソロス氏については、フィナンシャルタイムズ紙で過去何ヶ月にも亘って、ユーロ応援演説をぶってきました。
10/11(金)「ジョージソロス氏のユーロ防衛発言は続くが・・・」
ポンド危機でもアジア危機でも標的通貨の売り崩しから大儲けを果たした同氏が、今回は珍しく弱り目に祟り目のユーロを守る発言をしつこく繰り返すのは、ユーロ、かつまたは、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルなどのジャンク化した国債の買い建て故のポジショントークか、または氏の出自に由来する平和哲学か、という話を、約2ヶ月前にいたしました。
一方、日本国内のFX会社を買収するなど世界規模に事業展開をしていた金融ブローカー大手のMFグローバルの倒産では、
MF Globalの倒産が、リーマンショックよりもショックだった理由
日本のFX会社にとっての全額信託保全と同様、顧客資産の分別保管義務があるにもかかわらず、ジャンク化しつつあった欧州各国の国債の買い建てにより自己ポジションの超過利潤源にしようと試みた結果、ジャンク化がより一層進んだために、自己資金での穴埋めが出来ないどころか、株価急落⇒倒産⇒顧客資産の返還に殆ど応じることが出来ない状況になったというものです。
この不良債権としての欧州国債ポートフォリオが巨額すぎるため、この倒産処理(≒残余財産の処分)を市場で単純にオークション的に行なうと消化不良を起こす(暴落が暴落を加速させる)という配慮が働き、大手投資家に相対(あいたい)で打診するという形式をとったのだと考えられます。
そしてそのなかでもっとも強い関心を示し、見事、買い付けに成功したのがジョージソロス氏だったということです。オークションに譬えれば、落札したのがソロス氏であったということです。
報道の時点では、ソロス氏が購入した大底(?)値よりも市況が回復しているので、かなりの利益が出たと言われています。しかしこれがまたしても「ハゲタカ行為」であったと断定できないのは、上述のように、ユーロと欧州各国国債の売り崩しをしていたという証拠がないからです。ほんとうに悪質なら、口ではユーロと欧州各国の財政を守るべきと言いながら、やっていることは正反対(同資産の空売り)ということも考えられなくはありませんが・・・・
言い換えれば、ソロス氏の投資行動が、ショートカバーによる利食いなのか、ロングポジションのナンピンなのか、ハッキリしません。
ジョージソロス氏については、フィナンシャルタイムズ紙で過去何ヶ月にも亘って、ユーロ応援演説をぶってきました。
10/11(金)「ジョージソロス氏のユーロ防衛発言は続くが・・・」
ポンド危機でもアジア危機でも標的通貨の売り崩しから大儲けを果たした同氏が、今回は珍しく弱り目に祟り目のユーロを守る発言をしつこく繰り返すのは、ユーロ、かつまたは、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルなどのジャンク化した国債の買い建て故のポジショントークか、または氏の出自に由来する平和哲学か、という話を、約2ヶ月前にいたしました。
一方、日本国内のFX会社を買収するなど世界規模に事業展開をしていた金融ブローカー大手のMFグローバルの倒産では、
MF Globalの倒産が、リーマンショックよりもショックだった理由
日本のFX会社にとっての全額信託保全と同様、顧客資産の分別保管義務があるにもかかわらず、ジャンク化しつつあった欧州各国の国債の買い建てにより自己ポジションの超過利潤源にしようと試みた結果、ジャンク化がより一層進んだために、自己資金での穴埋めが出来ないどころか、株価急落⇒倒産⇒顧客資産の返還に殆ど応じることが出来ない状況になったというものです。
この不良債権としての欧州国債ポートフォリオが巨額すぎるため、この倒産処理(≒残余財産の処分)を市場で単純にオークション的に行なうと消化不良を起こす(暴落が暴落を加速させる)という配慮が働き、大手投資家に相対(あいたい)で打診するという形式をとったのだと考えられます。
そしてそのなかでもっとも強い関心を示し、見事、買い付けに成功したのがジョージソロス氏だったということです。オークションに譬えれば、落札したのがソロス氏であったということです。
報道の時点では、ソロス氏が購入した大底(?)値よりも市況が回復しているので、かなりの利益が出たと言われています。しかしこれがまたしても「ハゲタカ行為」であったと断定できないのは、上述のように、ユーロと欧州各国国債の売り崩しをしていたという証拠がないからです。ほんとうに悪質なら、口ではユーロと欧州各国の財政を守るべきと言いながら、やっていることは正反対(同資産の空売り)ということも考えられなくはありませんが・・・・
言い換えれば、ソロス氏の投資行動が、ショートカバーによる利食いなのか、ロングポジションのナンピンなのか、ハッキリしません。
2011年12月6日火曜日
なぜ日本人の自殺率は高いのか
昨夜、馴染みのワイン屋さん(日本橋兜町)に、御歳暮の手配に伺ったところ、そのお店は立ち呑みで有料試飲をさせてくださる超良心的なお店なのですが、しばしばお会いする常連のお客さまが二名いらっしゃり、わたくしもほんの二杯ほど御一緒させていただきました。
うちお一人は大手損害保険会社にお勤めの方で、フィリピンをはじめ、海外勤務の御経験も豊富な方です。
で、彼が言うには、日本人の自殺者は毎年3万人以上だが、そのうちの半分は、会社でのいじめ、パワハラの被害者なのではないか?と。
企業社会の変化と自殺者数・自殺率の関係は深いと思います。長年、毎年2万人台で推移していた日本人の自殺者数は、山一・三洋・日長銀・日債銀など大手金融機関が相次いで倒産した1997年~98年を境に一挙に急増して、以来昨年まで年3万人を下ったことがないようです(平成22年「自殺概要資料」警察庁生活安全局 生活安全企画課)。
国際比較を少々行ないますと、、、(厚生労働省「自殺死亡統計の概要」・・・警察庁の統計とはデータの取り方が異なること、国ごとの基準年度が必ずしもそろっていないことなどに留意が必要です)、、、第二次大戦後長年に亘ってダントツのワースト1位だったハンガリーが1990年代以降改善傾向となり、同時に共産党政権が崩壊したロシアが急増しワーストに、その後、最近マスコミでも話題のとおり韓国の自殺者急増で、現在は主要国(?)のなかで自殺率(人口10万人当たりの自殺者数を数えるのがグローバルスタンダードらしい)で日本を上回るのは、ロシア、韓国、ハンガリー(ほぼ日本に「肉薄」)となっていて、日本は世界有数の高レベル自殺率国となってしまっています(主要国?以外では、リトアニア、ベラルーシ、ガイアナ、カザフスタンだけが日本より上位)。
逆に「優良国」としては、主要国(しつこくも、?)の中ではイギリス、オーストラリア、カナダなど旧英国宗主国が目立ち、プロテスタント系ならではか(仏教や神道は自殺に関して必ずしもネガティブではないとの指摘あり)とも思われます。
が、、、このブログは、FXブログですし、より深くは政治経済を論ずるブログですから、宗教の要因だけを重要視するわけには行きません。
日本の自殺率は直近で24.9(人口10万人につき24.9人)ですが、この数値が10以下の国のなかに、ポルトガル、スペイン、イタリア、ギリシャがあります。このほか中南米の国々の殆どとフィリピンがこの領域に含まれています。
これを(旧ギリシャ植民地の(旧ローマ帝国植民地の))旧ポルトガル+スペイン植民地だから、いわゆるラテンな感じだとか、カソリックだから、もっと言えば、現在世界を悩ませている経済・金融問題に即せば、「宵越しの金を持たない」「借金が返せなくてもケ・セラ・セラ」という特質に注目すべきかも知れません。
昨夜、損害保険会社の方と話をして感じたのは、勿論、会社でのいじめやパワハラは世界中の(大)企業で発生していることですが、日本の場合は、上司が特にそれに頼らないとリストラが出来ない、整理解雇要件の厳しさが就労者を守るどころか逆にお互いすっきりしない辞め方辞めさせ方を強いられている不幸な構造があるのではないか、ということ。それと、住宅ローンの問題(ノンリコース型の商品が原則としてないこと、団体信用生命保険が借入時に必須となっており、これは勿論、世帯主死亡の場合に残された扶養家族を守るものではあるが、給与減やボーナス返済破綻など、更には失業や不動産相場下落の際に、「自分が死ねば良い」という決断を必要以上に促してしまう制度になってしまってはいないか、ということです。
うちお一人は大手損害保険会社にお勤めの方で、フィリピンをはじめ、海外勤務の御経験も豊富な方です。
で、彼が言うには、日本人の自殺者は毎年3万人以上だが、そのうちの半分は、会社でのいじめ、パワハラの被害者なのではないか?と。
企業社会の変化と自殺者数・自殺率の関係は深いと思います。長年、毎年2万人台で推移していた日本人の自殺者数は、山一・三洋・日長銀・日債銀など大手金融機関が相次いで倒産した1997年~98年を境に一挙に急増して、以来昨年まで年3万人を下ったことがないようです(平成22年「自殺概要資料」警察庁生活安全局 生活安全企画課)。
国際比較を少々行ないますと、、、(厚生労働省「自殺死亡統計の概要」・・・警察庁の統計とはデータの取り方が異なること、国ごとの基準年度が必ずしもそろっていないことなどに留意が必要です)、、、第二次大戦後長年に亘ってダントツのワースト1位だったハンガリーが1990年代以降改善傾向となり、同時に共産党政権が崩壊したロシアが急増しワーストに、その後、最近マスコミでも話題のとおり韓国の自殺者急増で、現在は主要国(?)のなかで自殺率(人口10万人当たりの自殺者数を数えるのがグローバルスタンダードらしい)で日本を上回るのは、ロシア、韓国、ハンガリー(ほぼ日本に「肉薄」)となっていて、日本は世界有数の高レベル自殺率国となってしまっています(主要国?以外では、リトアニア、ベラルーシ、ガイアナ、カザフスタンだけが日本より上位)。
逆に「優良国」としては、主要国(しつこくも、?)の中ではイギリス、オーストラリア、カナダなど旧英国宗主国が目立ち、プロテスタント系ならではか(仏教や神道は自殺に関して必ずしもネガティブではないとの指摘あり)とも思われます。
が、、、このブログは、FXブログですし、より深くは政治経済を論ずるブログですから、宗教の要因だけを重要視するわけには行きません。
日本の自殺率は直近で24.9(人口10万人につき24.9人)ですが、この数値が10以下の国のなかに、ポルトガル、スペイン、イタリア、ギリシャがあります。このほか中南米の国々の殆どとフィリピンがこの領域に含まれています。
これを(旧ギリシャ植民地の(旧ローマ帝国植民地の))旧ポルトガル+スペイン植民地だから、いわゆるラテンな感じだとか、カソリックだから、もっと言えば、現在世界を悩ませている経済・金融問題に即せば、「宵越しの金を持たない」「借金が返せなくてもケ・セラ・セラ」という特質に注目すべきかも知れません。
昨夜、損害保険会社の方と話をして感じたのは、勿論、会社でのいじめやパワハラは世界中の(大)企業で発生していることですが、日本の場合は、上司が特にそれに頼らないとリストラが出来ない、整理解雇要件の厳しさが就労者を守るどころか逆にお互いすっきりしない辞め方辞めさせ方を強いられている不幸な構造があるのではないか、ということ。それと、住宅ローンの問題(ノンリコース型の商品が原則としてないこと、団体信用生命保険が借入時に必須となっており、これは勿論、世帯主死亡の場合に残された扶養家族を守るものではあるが、給与減やボーナス返済破綻など、更には失業や不動産相場下落の際に、「自分が死ねば良い」という決断を必要以上に促してしまう制度になってしまってはいないか、ということです。
2011年11月30日水曜日
中国が金融緩和へと政策を急転換か!?
ただいまウォールストリートジャーナルが速報で伝えたところによると、中国の中央銀行が、民間銀行に貸している支払準備率を0.5%引き下げると発表、12月5日実行とのことです。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204012004577069804232647954.html?mod=djemalertNEWS
支払準備率を引き下げるのは2008年12月以来、3年振りですし、今年だけでも5回、引き「上げ」を行なってきたところです。
景気過熱、物価高、不動産バブルへの対策として、金融引き締め策を次々と打ち出してきた金融当局が、一転して、金融緩和のシグナルを鳴らしたのは、グローバルな金融市場の混乱が背景にあると、同紙は、取り急ぎ、報じています。
景気の過熱と資産バブルをソフトランディングさせる良い知恵はないかどうか、中国のエリートは、どこの国よりも一生懸命勉強してきていたとわたしは見ており、その答えがないことを、この政策転換は示しているのかも知れません。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204012004577069804232647954.html?mod=djemalertNEWS
支払準備率を引き下げるのは2008年12月以来、3年振りですし、今年だけでも5回、引き「上げ」を行なってきたところです。
景気過熱、物価高、不動産バブルへの対策として、金融引き締め策を次々と打ち出してきた金融当局が、一転して、金融緩和のシグナルを鳴らしたのは、グローバルな金融市場の混乱が背景にあると、同紙は、取り急ぎ、報じています。
景気の過熱と資産バブルをソフトランディングさせる良い知恵はないかどうか、中国のエリートは、どこの国よりも一生懸命勉強してきていたとわたしは見ており、その答えがないことを、この政策転換は示しているのかも知れません。
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