2008年9月26日金曜日

貨幣錯覚は幻想に過ぎない

●麻生内閣、支持率53%―衆院選の支持は自民と民主が伯仲(9/26日経)
あれほど盛り上がりに欠けた自民総裁選でも効果があったというべきか、選挙民が愚弄されているというべきか、選挙民が阿呆だというべきか?米国での7000億㌦法案で「ばらまき政策」への抵抗がなくなっている雰囲気もプラスなのでしょうか?

「ばらまき政策」が意味を持つのは、勤労者に支払われる名目賃金の伸びが物価上昇に追いついていなくても平気または気付かないことが前提。これを貨幣錯覚money illusionと言いますが、情報化社会⇒ネット社会においては貨幣錯覚を前提とすること自体が幻想。「ばらまき政策」で作為的にインフレ経済を実現しても、それ以上に名目賃金が上がらなければ、勤労者は豊かさを感じ得ない。物価統計の取り方を変えるという奥の手はあるでしょうが、それを言うなら作為的インフレを起こさなくても勤労者は今直ちに豊かさを感じることが出来ます。ヘドニック法、、、なんて言うと難しくなってしまいますが、敢えて想像してみて下さい“5年前と同じ性能の”パソコン、デジカメ、薄型テレビ、携帯電話を。。。これらに対する支出が家計に占める割合に沿って物価バスケットに反映され、低価格化に高品質化を加味して計算すれば、我が国の実質賃金、実質成長率は恐ろしく高くなることでしょう。「ばらまき政策」は無意味なうえに、モラルハザードをもたらすので百害ありて一利なし、というのが持論です。

金融インフラの根幹であるインターバック市場。インターバンク市場からの調達が許される退屈で平凡な商業銀行業務と愚直に手数料を追求するブローカー業務または投資銀行業務。これらをヘッジファンド業務(含む裁定取引)や投資業務と切り離すことで、インターバンク市場は健康を取り戻せる筈。決して7000億㌦は必要ない。投資銀行と呼ばれる金融機関が“投資銀行業務”と“投資業務”をごっちゃにしたところが、過当競争下の禁断の果実だったのではないでしょうか

残念ながら筆者の意見は極々少数派。ここまで来たら7000億㌦を通さないと、インターバンク市場も含めどうにもならないのかも。。。

そんな中、
●英中央銀行、インターバンク市場への流動性供給を大幅削減(9/25FT)
先週が£250億⇒今週は£50億£。インターバンク市場の参加者がイングランド銀行に低金利で預けるくらいならお互いに貸し付け合ったほうがましと判断しているため、とFT紙。

最後に、日本時間昨夜11時台のCNNで、7000億㌦法案の是非について視聴者アンケートを行なっていました。結果は53:47で反対多数。メールで寄せられた意見のなかに、「叩き上げのアジアの企業経営者が、その何倍~何十倍もの役員報酬を貰っているハーバードやウォートンのビジネススクール卒業者よりも優れていることを思い知れ!」というのがありました。アジアに日本は含まれるでしょうか。
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