2009年2月4日水曜日

エルピーダ、公的資金の申請を検討

日経のスクープは、一般企業の延命のための政府関与の第一号となるのか?

国内外で報じられている、

●“Buy American"政策に対し、EUや日本がWTO提訴を検討(2/4FT、日経など)

というお互いの保護主義を論う(あげつらう)動きと並べて見ていかなければなりません。

半導体メモリーの代表格D-RAMは、厳しい国際競争と、韓国の形振り構わぬ産官一体運営で、寡占市場に陥っており、いずれも韓国系の上位2社で50%弱のシェアを占める。エルピーダは、これらに次ぐ3位。1999年に日立とNECの半導体製造部門の統合で誕生した現在では国内唯一の専業メーカーは、韓国勢などとの競争で苦戦したが、現在の坂本社長のターンアラウンドでシェアを回復。2008年第一四半期のシェアは18.9%。

この間、かつては日本の電機メーカーが席巻していた半導体製造分野から有名企業が次々と撤退(三菱電機はエルピーダに統合)。エルピーダと技術提携している独キマンダは先月経営破綻。

公的資金による民間企業の破綻回避については、当ブログが毅然と主張するモラルハザード問題をどこまで犠牲にできるかという価値観に絡みます。与党政治家の皆さんの意見としては、せめて金融機関に限定すべきという考え方が少なくともかつては強かった。本件は、エルピーダと同盟関係にあったとは言え、独キマンダは野垂れ死に、日本のナショナルフラッグは守るという態度が、EUから見られて大丈夫か?

Buy Americanを唱え始めた米国にもマイクロン・テクノロジー(旧テキサス・インスツルメント)があり、黙って見てはくれないでしょう。ちなみに、我が国ではエルピーダの工場は東広島に、マイクロンの工場は兵庫・西脇にあります。「国内に競争相手がいないので、モラルハザード問題は軽微」とはいかないのが企業城下町の論理。資本が国内であれ国外であれ雇用を守ってくれれば良いのであって、不公平を許すのは簡単ではありません。
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