2009年8月28日金曜日

いよいよ衆院選

小選挙区で公共工事を沢山誘導してくれる政治家を応援するのが地域エゴイズムならば、子供がいる家庭が少子化対策を大盤振る舞いしてくれる政党に票を投ずるのは世帯エゴイズムかも知れません。

七転び八起きの持論爆論は、少子化は対策を立てるべき問題ではなくて、日本は少子化という症状と仲良くやっていくしかない、というもの。しかし、かと言って、大盤振る舞いの少子化対策マニフェストがまるっきりナンセンスだとは思っていないのです。

その理由は、日本の年金制度が必要以上に少子化傾向をサポートしてしまっている点にあります。

年金制度が歪んでいるくらいなら廃止したほうが良い、という政策は政治的には実現不能でしょう。その代わりに少子化対策をふんだんに行うという手はあるのです。

詳しくは、拙書「“為替力”で資産を守れ」をご覧ください。


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2009年8月27日木曜日

英国当局、金融部門の肥大化を矯正

英国金融庁のトップであるターナー卿の発言。「金融センターとしてのロンドンの競争力の強さを、金融庁としてはもっともっと注意して(懐疑的に)見ていくべきだ。英国経済にとって、シティの強さがかえって不安定要因になってしまっている」と。

ターナー卿の提案は、「トービン税」。米エール大学の経済学者ジェイムス=トービン教授に由来するアイデアは、世界中の金融取引に一律に課税して、発展途上国など世界中に再分配するというもの。既にこれまでに開発経済学者やフランス政府などによって、特にリーマン危機後提唱されてきたが、金融部門からの反対に遭って来ました。

英国内でも、ターナー卿の発言に対しては、アリスター財務相や、英国銀行協会(BBA)のナイト理事長が「聞いていない」と無視まはた反対する等、まだ一枚岩ではなく、規制緩和の賜物であるシティの存在は税収という点でもイギリス経済にとって欠かせない資源だという伝統的意見はまだまだ根強いようです。

実体経済の規模に対して金融部門が余りにアンバランスに肥大化すると歪みや弊害が致命的となるお話は以前から当七転び八起きブログでさせていただいておりました。時に、幸福実現党は小さな政府(警察と国防だけの夜警国家)を唱えておりますが、金融も仲間に入れるべきかも知れません。しかし、国内だけ課税するとイギリスの所得が減るだけなので、世界中での一律課税(new global tax)を提唱するところが、七つの海を支配し続けていると勘違いしているイギリス貴族らいしところ。
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2009年8月26日水曜日

バーナンキ再任に「異議あり!」

モルガンスタンレー(アジア)会長で反骨のエコノミストであるスティーヴン・ローチ氏が、英FT紙に、オバマ大統領によるバーナンキFRB議長再指名の早期決断は短視眼的と批判する論稿を載せました。

曰く、「医療過誤をしでかした医者に、奇跡的な治療法を発明したとおだてるようなもの。患者は新しい医師を求めている」と、容赦なき論調です。
http://www.ft.com/cms/s/0/a2ba2378-9186-11de-879d-00144feabdc0.html
取り返しのつかない資産バブルを見逃した中央銀行家として、グリーンスパン同様、バーナンキも罪を背負うべきかも知れません。オバマ大統領は、ブッシュ政権の大失敗を暴ける立場であるにも関わらず、そこを突き詰めることが自らの政権の危機を招くとの直観から、ガイトナーをして米銀ストレステストを、そしてこの早過ぎるタイミングで、バーナンキ再任をと、敢えて茶番を繰り返して来ているのでしょう。米国型金融システムの抜本見直しよりも、短視眼的に症状を糊塗するほうが米国の国益に資するとの判断は或る意味正しいということは、世界中の殆どのメディアがバーナンキ再任に肯定的である点からも窺い知れます。

米国の国益に最も近い立場である筈のモルガンスタンレー。論稿の著者であるローチ氏のような、何かと大本営のシナリオに対して水を差す人物を、ITバブルやお家騒動など紆余曲折を経つつも永年クビにせずに言いたいことを言わせている点に、米国そのものとも言える大銀行の懐の深さを感じます。
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2009年8月24日月曜日

遂に「社長ブログNo.1」から陥落(TT)

1年3ヶ月振りに「社長ブログNo.1」から陥落しました。
コチラをご覧ください。
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さすがの七転び八起きも、覚せい剤と下着には勝てません。

2009年8月21日金曜日

真夏の怪奇現象!?

フェニックス証券の社長となって5年目に突入しました。今月は、過去4年超で経験したことがない嬉しい成果が上がっています。それは、広告宣伝費は例月と変わらないのに、新規口座開設と新規入金が急増しているという事実です。

今月のキャンペーンが好評なのか?それとも、FX(外国為替証拠金)業界のなかでユニークな経営戦略がいよいよ評価されてきたのか?後者であれば漢方薬がじわじわ効いてきたみたいでうれしいのですけれど。

勿論、キャンペーンの内容も良いのでしょう。というわけで、好評につき、来たる9月も同一条件のキャンペーンを継続することに決定しました。

フェニックス証券のFX取引『フォレックス・ライン』新規口座開設+ご入金(何と1,000円から)+10万通貨以上のお取引で3,000円キャッシュバック!!!

ハッキリ言って、キャンペーンだけなら大して大盤振る舞いなものではありません。口座開設だけで10,000円という新規参入業者もあるようです(何処かって?過去記事にヒントあり!)。ということはやはり今月の躍進は漢方薬ということか。

http://phxs.jp/
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2009年8月20日木曜日

民主300議席うかがう勢い 朝日新聞、序盤情勢調査

とは言うけれど、社外の打ち合わせで駅に降り立つと、民主党候補者の辻説法には殆ど誰も耳を傾けず、支援者から差し出されるマニフェストを受け取ろうとする人も殆どいない。皆さんもそんな光景に見覚えはないですか?

自民党は責任力を、民主党は政権選択をそれぞれ問うている今回の選挙は、七転び八起きに言わせればKY選挙。「空気を読めない」だけではありません。「こっちが安いよ」でもあります。

国民が求めているのが“和定食”であるにもかかわらず、自民党はビッグマックセットを、民主党は中華弁当を用意してしまっている。旧来型革新政党に至っては、見掛けはサプリメントだが実は麻薬、という有様。自民党の賞味期限を問う選挙の実態は、実は(比例代表併用)小選挙区制の制度疲労こそが問われているのではないか。冷戦期の我が国ではタブーだったマニフェスト選挙には賛成ですが、マニフェストを選ぶのであれば地方選出の政治家の存在意義は何でしょうか?極論かつ暴論ですが、マニフェストが国民投票で選ばれれば、官僚がそれにしたがって行政を行なっているかどうかを監視するのは政治家ではなくて裁判所の役目では、という考え方すらあります。

自民党の救世主”だった”小泉氏が郵政民営化等の改革をぶち上げたことで、改革の党だった筈の民主党が改革の弊害を主張することでしか党組織の自己同一性と首尾一貫性を保てなくなった。これは決して個々の政治家の責任ではないのですが、我が国政治の最大の不幸のひとつであり、政権交代だけでは直ちに修復できない捻じれ現象です。

政権選択とは関係なく、FX(外国為替証拠金)取引を中心に、海外投資への関心が衰えない背景のひとつだと、七転び八起きは考えています。
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2009年8月19日水曜日

「アダルトビデオ屋」がFX業界に殴り込み

明日発売の月刊「ファクタ」(The Facta)9月号も注目記事のオンパレード。タイトルの記事(p24~)はDMM.com証券(旧 SVC證券)の話題。

レバレッジ規制について触れているだけでなく、アダルトビデオやパチンコ、渋谷~六本木系のネットバブルに酔いしれたITもどき企業への皮肉や偏見を込めた記事は一読の価値あり。但し、シグマゲイン(元大証2部上場、SVC證券の親会社)からDMM.com(“類似サイト”DMM.co.jpも運営!)への営業譲渡の荒波のなかで“雇われ社長”であり続ける谷川龍二氏はFX業界を熟知したちゃんとした方です。それも触れてあげないと可哀そう。

その他、昨日ブログでも触れた「中国バブル『一寸先は闇』の兆候」、更には時節柄「民主党ネタ」が多く、読み応え十分です(「民主党がフタする『NTT組織再編』」、「危うい鳩山政権『5原則』」、「鳩山『おぼ坊っちゃま宰相』の真贋」・・・)。
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2009年8月18日火曜日

どうなる中国株

為替も含めて金融相場の転換点かどうかを占うポイントは中国株の変調でしょう。
ここ数日の大幅下落(ただし今日は持ち直し)は再びバブル崩壊の予兆か?
上海A株の日足
それとも一時的調整に過ぎないのか?
同 週足
先日、日経CNBCで喋った内容は、レバレッジ規制が主なテーマでしたが、相場の基調についても「同一分野、同一テーマのバブルは同一規模では起きづらい(起こしづらい)」とも申し上げました。我が国の株式相場や不動産相場が2005年の郵政解散以降バブルを形成したにもかかわらず、長続きせず、プラザ合意(1985年)以降のバブルの到達点に遥か及ばずに崩壊したのと同じ理屈です。
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2009年8月17日月曜日

必読!?週刊「東洋経済」

何となく沸点に近い予兆が見られるお盆前後の相場。さて、これからどうなる?ということで、最新号の週刊東洋経済で網羅的に判り易く特集が組まれております。

為替がらみでは、やはりFXとレバレッジ規制のことが記事になっています。とても良く取材されていると感心しました。必読です。

東洋経済新報社からは一銭も頂いておりません。私はアフィリエートのパートナーではございません。
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2009年8月13日木曜日

日経CNB生出演⇒ホームページを更新

お待たせしました(!?)。先々週、日経CNBCに生出演したときの内容をフェニックス証券の新ホームページからオン・デマンドでお楽しみいただけるようになりました。
http://phxs.jp/
前回(初回)出演時の内容も同じようにご覧いただけます。こちらは、相場予想としては1月から3月までは当たっていましたが、今となっては外れています(汗)。
http://phxs.jp/
それと、1月は汗をかきましたが、7月(偶然にも、レバレッジ規制のパブコメ公表日!!)は汗をかかずにすみました。

お話ししきれなかったところはコチラ
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2009年8月12日水曜日

今日も助っ人頼み

昨日ご紹介したアニシモアさんの新興国レポートです。

メキシコ・ペソに対し売り圧力が高まっている。市場では11日、野党が政府の増税策に強く反発している報道が伝わり、「政府の2010年国家予算法案の国会議決が難航される」見方が強まった。また、ガルステンス財相は同日、「2010年にはメキシコの原油生産が4.9%減少する可能性が出た」との見解を示したことは重しとなり、ペソは主要通貨に対し大きく値を下げた。ペソ・円は11日高値の7.496円から7.313円まで売られる場面が見られ、現在も軟調に推移している。
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2009年8月10日月曜日

突然、目が・・・

土曜日の朝起きたら、突然左目の焦点近くに楕円形の黒い影が表れました。特に、瞬きをするたびに黒い影は濃く反復するのです。家庭の医学で調べたら中心性漿液性脈絡網膜症の疑いが強いようです。

原因は、過労、寝不足、目の使い過ぎが考えられ、30歳台から40歳台の日本人男性に多く見られる症状のようです。失明の可能性は低いとのこと。

自分では過労とは思っておりませんでしたが、寝不足と目の使い過ぎは思い当たる節が。ブログの手を少し緩めることを検討しつつ、お医者さんに行って参ります。

パソコンを駆使して、長時間仕事をしたり、FXのデイトレードをやっていらっしゃるフェニックス証券のお客さまもどうか御自愛ください。たまには人に会う、電話で注文する等々、気分を変えると良いかも知れませんね。
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2009年8月7日金曜日

美しい円周率と醜いフィリップス曲線-経済のイロハ②

円周率を引っ張ります。円周率(π)をなるべく正確に小数点以下どんどん求めようとする歴史は、がむしゃらな計算も含め、紀元前から始まります。

円周率の歴史

そのなかで、ひと際「美しさ」が目立つのが、1400年頃インド人マーダヴァによって発見された無限級数

1-1/3+1+1/5-1/7+1/9-1/11+・・・+(-1)^n/(2*n+1)+・・・・・・・・・・

無限に続く数列を考えます。最初は1。そこから先は分数で、分母が(1から)3、5、7、9と奇数で延々と続く一方、分子は(プラス1から)マイナス1とプラス1を延々と繰り返します。これを全て足し合わせるのです。

何とこれを4倍しますと、円周率(π)になるというのです。これを発見したインド人は天才。この証明を理解できる人は秀才。理由はわからずとも「美しさ」に感動する私は、単なるモノ好きです。

少なくとも円周率(π)に限れば、数学者が行った計算や証明が正しかったかどうかというのはいつかは歴史が証明してくれます(無限という概念を突き詰めると、話はだいぶ変わって来ますが・・・)。

本日、“為替力”アップ道場にアップした量的緩和拡大で英ポンド急落。成長率の落ち込みは歯止めが掛りつつあるものの、高い失業率は収まる気配がない、との英中銀の認識から、金融緩和(今回は利下げは見送ったものの-既に0.5%ですが-英国債の買い取り額を増やした)を決定したという記事です。失業とインフレの関係の深さを物語るのが昨日ご紹介のフィリップス曲線ではありますが、「無理矢理インフレ政策を取れば本当に失業率は改善するのか?」そしてインフレ策が正しいとしても「政策金利の利下げ、量的緩和の拡大、財政赤字のばら撒きのうちどれが政策効果が高いのか?」というのは、高名な経済学者や中央銀行の幹部の間でも議論が分かれます。

後者は特に変動相場制のもとでは財政赤字が(中央銀行によってファイナンスされない限り)景気対策としては有効ではないというマンデル=フレミングの法則というのがあります(注)。一方、前者は突き詰めればケインズとフリードマンのどちらが正しいか(該当する可能性が高いか)になります。少なくとも現実は滑らかなフィリップス曲線など描けてはいないということ。円周率のようには美しくなれない理由を次回以降議論します。
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“為替力”アップ道場はこちらから
http://phxs.jp/

(注)逆に固定相場制では金融政策は為替操作だけに使われてしまうので景気対策の意味を持たない。ユーロ圏の(ECB以外の)各国の中央銀行が勝手にユーロを供給したら、それは偽札じゃないか、という理解の仕方は乱暴か。

2009年8月6日木曜日

円周率とゆとり教育-経済のイロハ①


ゆとり教育からの揺り戻しで、円周率(π)が3から3.14に戻ったらしいです。


小学生の娘から「円周率は何故3.14なの?」と聞かれて、答えに窮しました。勿論、πは3でもなければ3.14でもない無理数(かつ超越数)ですが、それは措くとして、「何故3.14(・・・)か?」という問いと、「どのような円でも円周率は一定(=π)かどうか?」(答えはYes)という問いとは質が違います。
当たり前のことのように思っていることでも、何故かと聞かれて答えられない命題は色々あります。「人間の手(足)の指の本数は何故5本(×2)なのか?」「何故、澱粉(でんぷん)にヨード液を落とすと(赤でも緑でもなく)紫色になるのか」・・・「何故、株価が下がると失業が増えるのか?」

知っていることと、理由を納得していること(或いは、世間では常識とされているが実は理由が曖昧だと見破っていること)は全く別。

上記の例の中で「何故、株価が下がると失業が増えるのか?」という問いだけは異質で、特に理由が曖昧かも知れない、と言いたいわけではないのです。実にそこが経済学の難しさだとは思います。しかし「世間の常識の殆どが理由は曖昧」というのは経済学(や生物学)だけでなく数学や物理学でも五十歩百歩です。平行性公準(言いかえれば、三角形の内角の和=180°)や質量保存の法則も今では絶対真理ではないからです。

「フィリップス曲線」というのがありまして、経済学部を出てこれを知らないと「お前、やっぱり勉強してなかったな」と笑われる定番商品です。縦軸に失業率、横軸にインフレ率をとると(短期的に)反比例みたいな関係になる。したがって、インフレ抑制と雇用対策は「あちらを立てればこちらが立たず」の関係なのだ、みたいな言い方をします。 現在、この経験則を知っているかいないかというのは大した問題ではなくて、「普遍の法則ではないのではないか?どういう前提なら成り立つのか?」と疑って掛る姿勢のほうが遥かに重要だと思うのです。
ついでにもっと大事なことは、主要国各国の指導者政治家の多くが、「フィリップス曲線」を平行線公準と同じような絶対真理だと思い込んで、ばらまき政策のポピュリズムにどっぷり漬かっていること。その結果どうなるかを予測すること、です。
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(お知らせ)本日から、こちらhttp://phxs.blogspot.com/ では読者の皆様のご要望にお応えし、経済のイロハをお伝えして参ります。七転び八起きブログのバックナンバーをお読みいただくうえでも役に立てればと考えております。通常の更新は、昨日よりhttp://phxs.jp/blog.php “為替力”アップ道場(一説に“モミアゲ”道場!?)に移行しております。昨日分も是非ご確認くださいませ。

2009年8月5日水曜日

イチローとチヒロ-「クールジャパン」の尖兵


昨年12月に開催させていただいたフェニックス証券主催チャリティ・オペラ・コンサート~世界の名曲をフェニックス証券からあなたへで特別出演をしてくださった我が国ヴァイオリン界の若手ホープ印田千裕さん。プロのオペラ歌手の皆さん同様、ギャラなしでご無理をお願いした御礼をしなければならない立場なのに、逆に素敵なサロンコンサートに呼んでいただきました。

LOHASを提唱し続ける雑誌ソトコト株式会社木楽舎 取締役社長日谷潔さんに心から感謝)の取材収録を兼ねた「ロハスクラシック音楽サロン」。等々力渓谷脇の中島薫さんの御自宅は都心とは思えない自然溢れる環境。実際、渓谷に鬱蒼と茂る木々から木漏れ日とともに蝉時雨までがサロンに届きます。クラシックのコンサートは外部の雑音を遮断して鑑賞するのが通常ですが、超一流の音楽にとっては自然の“ざわめき”が邪魔になるどころか寧ろ妙なる調和を醸しだすのだと教えてくれたロハスな空間でした。

「ロハスクラシック音楽サロン」だけでなくシャネル・ピグマリオン・デイズ・クラシックコンサートもプロデュースされている坂田康太郎さんが過不足のない司会進行。敷居が高いと思われがちなオペラやクラシックを何とか身近な存在にしたいという坂田さんの仕事振りに100%共感します。

フェニックス証券のチャリティを終えた後、東京文化会館でのリサイタル、米国公演、NHKFM「名曲リサイタル」出演等、大活躍の印田千裕さんの凄いところは、前述のチャリティで聴かせてくれたサラサーテやパガニーニの超絶技巧や、マスネ(タイスの瞑想曲)その他オペラとのシナジーの演出という器用さだけでなく、これまで(世界が注目していたにもかかわらず)日本ですら埋もれてしまっていた日本人作曲家の作品を掘り起こし自らの手で広めようとしているところです。キャリア途上のクラシック演奏家にとってプログラム構成上無名の曲を沢山取り入れるというのは興業的には大きなリスクを伴うにもかかわらず、です。その積極果敢な印田千裕さんの姿勢を、プロデューサー兼司会の坂田康太郎さんが素敵にお披露目してくれていたのが印象的でした。

サロンでは、伊藤(及川)哲也さんセレクトによるワインを頂きながら、株式会社テレネットの目黒社長(本当に久しぶり。御縁に感謝です)、株式会社第一物産の黄恵蘭社長(キムチを買いに行きます)、松竹株式会社の吉積サイモンさん(私の100倍歌舞伎に詳しいイギリス人)、株式会社チャイナアクセスの嘉賀宮社長、三菱商事証券の相宅社長、株式会社ウェーブの梶原取締役、そしてファクタ出版株式会社の宮嶋代表取締役と暫し歓談を楽しませていただきました。

「クールジャパン」の尖兵は、野球(注)ではイチロー、ヴァイオリンではチヒロだとの思いを馳せたひと時でした。
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(注)クールジャパンの定義は良く判りません。スポーツに用いることは通常無いかも知れませんが、イチローの芸術的な打撃と守備に日本人らしいクールさを認め表現させていただきました。サムライとしての尖兵は野茂英雄でしょう。
(注)ソトコトの取材は別の月のものも同時開催されていて、そちらは同じく坂田さん司会でソプラノの安藤赴美子さん。驚くべき声の持ち主です。

2009年8月4日火曜日

バンカメに罰金?メリル買収に絡んで・・・

リーマンブラザースの破綻と同じ日にメリルリンチ(救済)買収を発表したことで全米1位の銀行に躍り出ることになったバンカメ。米SECが偽計取引だとして33百万㌦の罰金を科したのは、

★2008年11月に「500億㌦でメリルを買収したい。メリルには役職員への年末ボーナス等を合併期日まではバンカメ側の同意なしには払わせない」としてバンカメ株主の同意を書状で求めていた。

★ところが実際にはバンカメはメリル側が58億㌦のボーナス支給を既に認めていた(米SECによると)。

★58億㌦というのは買収額の12%にも相当する。ボーナス支給の承認は株主宛には配布されなかった別の書状で明らかだと。

★2008年12月5日にバンカメ側もメリル側も合併を承認。その3日後にメリルはボーナス支給(36億㌦)を決定。支給日は12月31日で合併期日の前日。直後にメリルは2008年の年次決算276億㌦の赤字を発表。

以上はWSJ紙の要約。FT紙によると、バンカメは(というかルイス前CEOほか前役員陣は)本件で別途、株主代表訴訟を抱えている。

バンカメの前CEOルイス氏と言えば、メリル買収はバーナンキFRB議長とポールソン財務長官(当時)に脅されて不承不承決めたものだった。両高官の議会証言は済んでいますが、まだ疑惑が晴れたとは言い切れないなかでの、今回のSECによる調停。我が国の失われた10年以前にみられた伏魔殿が米国金融にしっかり存在しています。

関連記事
http://phxs.blogspot.com/2009/07/blog-post_16.html
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2009年8月3日月曜日

レバレッジ規制へのパブコメと金融庁の回答

実は、先週金曜日に日経CNBCで生本番が始まる前、簡単な打ち合わせで「レバレッジ規制のほうはパブコメと金融庁の回答はまだなんですよね」とコメンテーターの直居敦さんから聞かれ、「現時点ではそうなんですが、何となく今日あたり出てもおかしくないんです」と答えてオンエアとなったのでした。
案の定、勘が当たっており、番組中のレバレッジ規制に関する解説(キャスターの原田恵理子さん)の原稿から「近々公表の予定」というのを削除しておいて良かったということになりました。

話題のパブコメはこのように金融庁のホームページに載っています。
http://www.fsa.go.jp/news/21/syouken/20090731-6/01.pdf

これほど関心の高いパブコメは稀有なせいか、極めてユニークな内容になっています。普通のパブコメは、法令解釈に関する質問とか、法令引用等のミスプリの指摘が殆どなのですが、レバレッジ規制に関するパブコメは、「そもそも反対」「いやいや賛成」という総論的というか初歩的なコメントが多数寄せられていることが特徴です。

私は番組でレバレッジ規制は「最善ではないが次善の策だ」と申し上げました。それでも敢えて賛成論のなかにいい加減な論拠を持つコメントも混在していることを指摘しておきたいと思います。そのひとつが、

「委託証拠金倍率25 倍(4%)というのは、信用取引の3.3 倍(30%)と比べると極端に高すぎるという感をぬぐえない。」

という意見。為替の各通貨ペアと株式の制度信用取引の銘柄とで流動性やボラティリティを比較する以前に、制度信用取引においては、日中(立ち合い中)の瞬時の値洗いも制度化されておらず、したがって日中の強制ロスカットも出来ないどころか、追証請求の期限も翌々日の正午などと“悠長”な制度になっていることを理解してのコメントでしょうか。証券業界においては、店頭FXに比べて近代化が著しく遅れている株式インフラを十分反省したうえでパブコメに参加してもらいたいものです。
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2009年8月1日土曜日

汗はかかずも、話がチンプンカンプン

日経CNBCに再登場することは、田舎の両親には伝えていませんでしたが、七転び八起きブログで知っていたのか、二人仲良くテレビの前に座って観ていたそうです。

資産形成とは全く無縁の人生を送ってきた両親。番組の感想は「話がまるでチンプンカンプンだった」「髪型が変わったなぁ」「今回は汗をかいてなかったなぁ」、、、以上です。

反省すべきは、昨日もまた台本を無視して喋ってしまったために、時間配分が滅茶苦茶になり、喋りたかったことの半分くらいしかカバーできなかったこと。とくに「これからのFXはどうなって行くのでしょうか?」という原田恵理子キャスターからの質問に対し、「ミセス・ワタナベ的キャリートレードは終わっている」「高レバ・低スプ頼みの超短期スキャルピングも減るだろう」そしてレバレッジ規制後はいよいよ「資産形成のためのFX」が現れる。手数料ぼったくりの投資信託や外債投資よりは、穏便なレバレッジのFXのほうが金融商品として絶対に優れているという事実が、意図的なスリッページ等の悪徳業者が駆逐された後、徐々に認知されていく筈だ。消え失せるのは資産形成とは無縁の投機の場としてのFXに過ぎず、金融機関に支払うべき正当な取引コストを真面目に捉える投資家にとってのFXは寧ろこれから広まる筈だ、との一言を言い忘れてしまったことです。

近日中に、フェニックス証券のホームページに動画を公開する予定です。
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