2008年10月7日火曜日

米株暴落。ダウ終値、4年ぶりに1万㌦割れ

★聞き捨てならぬ「免責事項」
8年前、営業未経験の私をモルガン・スタンレーの社債引受部門に引っ張ってくれた当時の上司が、出勤初日夕刻、恵比寿ガーデンプレイス1階の喫茶店に私を誘い出して曰く、「外資系というと短期で実績を出さないと直ぐクビにされるイメージがあるかも知れないが、モルスタに限ってそれはない。興銀(現みずほ)の本店が東京からニューヨークに移転したぐらいのつもりで。。。くれぐれも肩の力を抜いて、焦らず頑張って欲しい。

「ただし、」えっ?ただし??「うん。ただし、米株。ダウ平均が1万㌦を割れるような事態になると前提は変ってしまうんだよ」「引受部門の仕事は、主幹事を一つでも多く獲得する。日系証券会社のフランチャイズに分け入り、少しでも引受関与を増やす。そうやってこつこつ稼いだ引受手数料が私の給料の源泉なのではないんですか???」

★サブプライム以前に潰れていた我が故郷
今年の春に、モルスタの社債引受部門の同窓会に呼んでいただきました。モルスタを引退し、現在は上海に留学して中国語を勉強中(ちなみにFXもやっていただいております・・・これ余計^^;)の当時の上司が一時帰国。ご自宅に大勢が集まり、改めて元上司の人望を認識。最後に元上司の挨拶が「やはり残念なことは、自ら立ち上げ率いてきた社債引受部門が廃部になってしまったこと。。。」そうとは知らなかった私は驚きました。

リスクの取り過ぎ、レバレッジの掛け過ぎで批判の渦中にある投資銀行。その中にあって、実直に手数料を積み重ねてゆく引受サービスは別物、と思いたいところですが、実際には、リスクを取れない⇒儲からない⇒既に無くなっていたというのです。ちなみに、M&Aの仲介・助言というサービスも手数料ビジネスの部門も、余程の“棚牡丹”案件を除けば、企業買収に必要な資金(レバレッジを含む)を提供する等、案件のリスクに参加することで、やっと案件にありつけるというのが実態です。

★需要が無くなったわけではない投資銀行業務。。。しかし、、、
三菱UFJ、野村がそれぞれモルスタ、リーマンを救済。「投資銀行は終わっているのに。。。」と批判が専門家の間で喧しいですが、“ビジネスモデル”が完全に破綻したというのは言い過ぎ。我が国では私の周辺(これ意味深長^^;)も含め、事業承継や業態転換が思うように進まずに悩んでいる同族企業など中小企業が少なからず存在し、事業の建て直しやM&Aの仲介・助言を外部に求めざるを得ない差し迫った状況に置かれています。思うに、この仕事を請け負える人材は非常に貴重で、月坪何万円もする綺麗なビルの一室にふんぞり返って他人の褌で相撲を取るバルジ・ブラケットのバンカーには勤まらない。彼等が望む報酬は得られない割には手間と人間力が要求される仕事なのです。この点、三菱や野村がどう考えるか、注目です。

赤信号、みんなで渡れば怖くない!?
「銀行預金全額保護」を電撃発表したアイルランド。イギリスは預金保護を350,000ポンドから500,000ポンドへ明日から引き上げ。スペインも「EU統一の金融システム救済策が策定されないようであれば」アイルランドの真似をすると発表。デンマーク等も追随か(以上、10/6夜BBC)。

最もスピーディでトップダウンな唯一の“金融システム救済策”かも知れません。が、ユーロ圏については、政府の簿外債務の急増は許されるのか?世界標準でペイオフ解禁となった我が国の1千万円は何だったのか?
「世界大恐慌以降の保護主義の連鎖を彷彿とさせる」(EC委員長。10/3FT)EU諸国の動きは、少なくともユーロ採用国にとっては明らかに通貨統合の遠心力となってしまっています。
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