2008年10月1日水曜日

金融安定化法案の否決で、主なコメント集

●NYダウの寄り付き反発-7000億㌦金融安定化法案に賛成の議員にとっては痛手かも(9/30CNBC)

ブッシュ演説もあり「修正案は通るだろう」という期待で米国株反発、第二の流血の月曜日の残忍な売り浴びせの半分を帳消しに、、、というのが一般の論調。

そんな中、日経CNBCは(フェニックス証券提供の)「夜エクスプレス」枠を柔軟に伸縮させ、ニューヨークからの生番組を取り入れつつ、時機を得た編成で視聴者の投資家心理に応えてくれました。

上記は、NYSE寄り付き中継中のCNBC本家の現場記者の皮肉たっぷりのコメント。彼は共和党右派の支持者でしょうか???

●「これは巨大な牛肉のパテの中に一欠片のマシュマロが混入されているようなもの。パテには目が無い俺も、このパテだけは御免だ」とジョージア州選出の共和党下院議員ブラウン氏(9/30NYTimes)

和食専門の筆者には判りづらい譬えですが、このブログで時々使わせてもらっている毒入り餃子だということがおっしゃりたいのでしょう。不良債権がマシュマロ程度なら問題ないような気もするし、日本だったらマシュマロ業界から失言騒ぎを起こされるかも知れません。これぞ「ごね毒」!
●法案否決で(米国株の時価総額という)国富が一夜にして1兆㌦失われた-ブッシュ大統領演説(9/30CNBCほか)

それに比べれば7000億㌦は安くて済む、というのが趣旨。これは非常に判りやすい説明、ブッシュ大統領のブレインは有能だ。。。

今朝の日経新聞の1面にも、「世界の株、ピークから1年で時価総額2000超円目減り」とセンセーショナルに扱われています。しかし、流通市場の時価総額が減るというのは人類全体が損をしているのでしょうか?国富、いや世界の富がドブに捨てられているのでしょうか?

発行市場と車の両輪をなす流通市場は確かに重要なインフラではあります。しかし、もし読者の皆さんが企業家だとして、元手300万円で事業を始め、幾多の苦難を乗り越え事業が成功し、2007年7月株式公開を実現、(極端な譬えですが)読者の皆さんは創業者株全株を売却して3億円を手に入れていとします。創業から株式公開までの間、配当はなかったとすれば、読者の皆さんは流通市場から2億7000万円という巨額の富を手に入れたことを意味します。勿論、努力の結晶であることは言うまでもありません。1年強経過した只今現在の時価総額は2億円になってしまっているとしましょう。流通市場は1億円の富を失っています。これは逆に言うと、株式公開が現時点であれば、読者の皆さんの富は1億7000万円に留まっていたという意味でもあります。

時価総額の目減りは、流通市場で売り逃げた投資家だけでなく、発行市場を良い時期に活用できた事業家にとっても、言葉は悪いですが流通市場からの富の収奪にほかならないのです。

これは住宅価格を含めた不動産相場にも当て嵌まります。不動産は「空売り」が出来ない資産だから、世界中の人たちが程度の差こそあれロングポジションだ⇒だから不動産相場の下落は世界全体の富の目減りだと信じ切っているひとが大勢いますが、これは全く詭弁です。

FXをやっていらっしゃる読者の皆さんなら、円安だから円資産が目減りしただの、円高だからデフレだデメリットだと評論家に悲観論を叩き込まれても、もう誰も騙されないでしょう。

ブッシュ大統領の「1兆㌦」発言も、モラルハザード政策を導く見事な詭弁ですが、これ以外にインターバンク市場の復活の方法がないのなら、まぁ良しとするか、、、
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