2008年10月8日水曜日

世界同時株安。世界金融危機。

●モルスタ株急落-三菱UFJからの資本注入に問題が生じたとの噂で(10/8WSJ)
モルスタ側は交渉は順調に進んでいると説明、噂を否定。が、結局は前日比25%安。

バーナンキ議長が利下げの可能性を仄めかした後も、株価下落は続き、ダウ平均は500ポイント以上下落(過去5日間で13%下落)。

●英ブラウン首相、数百億ポンドの公的資金の注入を決定(10/7FT)
イギリスの大銀行は半国営化されることに!RBS株が39%下落(前日は20%下落)、HBOS株が41%下落する等、銀行株暴落を背景に。イギリス国民一人当たりの税負担は£1400~£2000になりそうだが詳細はこれからとFT紙。

●スペインも“独善的”な手段に走る-300億~500億ユーロの公的資金で国内銀行の資産を買取へ(10/7FT)

アイルランド同様、ユーロ圏での“独善的”な財政規律のなし崩し的違反は批判されてもしょうがない。EU首脳会議はようやっと預金保護は一人当たり5万ユーロまでと決めた矢先に、スペインは(同国のこれまでの5倍の)10万ユーロと発表(昨夜深夜BBC)。

で、アイスランドはどうなのか?人口20万人の漁業立国は、元NATO加盟国でしたが、2006年に米軍が撤収、非武装中立国家となっています。EU漁業協定を批准できないとして、EUにも加盟していません。一人当たりGDPは日本を上回る豊かな国を支えていたのは、筆者ブログでもしばしば取り上げてきた高金利通貨アイスランドクローネ。でも、タラとニシンだけでは、自動車や家電を買えません。貿易赤字をファイナンスする筈の海外資本が不動産市況を過熱、バブルが弾け、銀行と国家が共倒れする危機に直面。ようやく身の丈にあった生活の重要性に気がついたとしても時既に遅すぎたのかも知れません。

このような状況下で宣言された、アイスランドクローネとユーロの固定相場。機能するのでしょうか?ロシアから米ドルの緊急融資も実現するかどうか不明です。

しかし、高緯度の割りに温暖な気候で知られる非武装中立の小国は、三位一体改革を逡巡しつつ、アフガン戦費もっと負担しろと“みかじめ料”を際限なく強請られ続ける我が国の国体を考えるうえで、ユニークな材料にも思えるのです。アイスランドより南アランドというセミナーをやった割にはアイスランド自体の話を詳しくやらなかった小職としてはこの国のことをもっともっと調べてみたい気になりました。
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