●原油価格、1バレル25米ドルまで下落!?メリルリンチが警告(12/4FT)
米国、欧州、日本の景気後退が、これまで商品市況高騰の牽引役だった中国の成長鈍化を招くならば、との説明。「100ドルを越えたら、次は200ドルだ」と騒ぎ立てた投資銀行業界が、半年も経たずに今度は「50ドルを割ったら、25ドルだ」と、懲りずに『順張り』予想で世間を騒がせる。この“ビジネスモデル”、もう終わったのではなかったのか?
経済学では、需要の増加や減少によって(物理的な理由等により簡単には)供給が増減しないモノの価格を『地代』と言います。名前の由来である土地がその典型例(だった)。括弧付過去形の意味は、もし現在でも都心の一等地に建蔽率や容積率に厳しい制限がある一角があるとすれば、そこはきっと景気動向で不動産価格が周辺の規制緩和された区画よりも遙かに上下動するでしょう、という意味です。『地代』の例としては他に、お金のためではなく兎に角好きでやっていた野球だったのに気がつけばプロ野球選手として球界を代表する名プレーヤーになってしまったみたいな選手の年俸。各球団による争奪戦は、この選手にとっては想定外の動きであり、このような引き合いのことを『派生需要』と言います。『派生需要』と『地代』が発生するモノの供給曲線は価格軸と平行なのが特徴です。
で、原油はどうか?代替エネルギーがないわけではない。供給側(OPECなど)の生産調整も出来る。未開拓の油田もある。等々を勘案すると、少なくとも今の世の中では原油価格は『地代』とは言い切れないのです。
メリルやGSのエコノミストは余程のアホか、賢いのだけどもいやいや相場操縦につき合わされているかどちらかでしょう。
●英100bp利下げ、1951年以来の低金利(12/4FT、WSJ)
1694年にイングランド銀行が創設されてからの最低水準。来年1月には更に75bp利下げして、1.25%とまで予想する向きも。
ところで"bp"はベーシスポイントの略で、0.01(パーセント)ポイントと同じ意味です。“0.01%”と言うと、(下落)幅のことなのか(下落)率のことなのかハッキリしないので、この記事のように幅であることをハッキリさせたいときに(ベーシス)ポイントという表現を使います。ブリティッシュ・ペトロリアム(英国石油)の略ではありません。
●ユーロも75bp利下げ、2.5%へ(12/4FT、WSJ)
欧州中央銀行の10年の歴史で、最大幅の利下げ。
●米ビッグスリー首脳、再び議会で金融支援を懇願(12/4Washington Post)
3社の金融支援要請額を合計すると340億㌦~380億㌦。2週間前に言われていた数字(250億㌦)から増額されているのは、たった2週間の間の赤字運転資金だったのか。
3社破綻だと250万人の労働者が失業の危機に晒されることを考慮すると、その際の対策資金に比べて、380億㌦でも安いという経済評論家の意見をワシントンポストは紹介しています。が、その評論家も、今後2年間で必要な借り換え資金は各社首脳が申し出ている数字より遙かに大きい750億㌦~1250億㌦だとのこと。
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