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2008年11月28日金曜日

不思議の国の株価とワーキングプア

●ムンバイのテロ、人質解放へ(11/28WSJ、NYTなど)
犯行声明が出ていない。インド首相も国外犯だと指摘しているが、印パ問題なのかどうかもよく判らない。13年前の地下鉄サリン事件を外国人目線で見たら、日本の何処がどう危ないのかよく判らず、何となく空恐ろしい国だとしか思われなかったのではないでしょうか。本件については、「七転び八起き」流の分析をするにはまだ私には勉強が足りません。

昨日、大阪で長年お世話になっておるお客さまがフェニックス証券を訪ねてきてくれました。話題はFXから日本株にまでおよび、特に株価について最近最も気になっている点を指摘させていただきました。

日本株の弱さについては、当「七転び八起き」ブログでも一度浚いました。ここに来て我が国の上場株の特徴と言えば、株価利益率(予想利益/株価)では主要先進国のなかで意外と割高である反面、純資産倍率(純資産/時価総額)では悲しいほど割安であるという事態ではないでしょうか。

前段の株価利益率については、株価がどんどんさがっても予想利益の下方修正が追い討ちをかけるので、割安感が出てこない、むしろ割高であるということ。それと関連しますが、減益体質や赤字体質が改善されない限り、純資産では株を買えないというのが、後段の純資産倍率の話となります。

しかし、純資産倍率を「トービンのQ」だと看做せば、純資産倍率が1を(大きく)下回る企業は廃業なり赤字部門撤退なり資産売却なりすれば良い(言い換えれば、その企業が属する業界に参入を検討している経営者は事業を立ち上げずその会社を買収したほうが安くつくので、然るべき水準=純資産倍率1近傍まで株価は戻る筈です。

景気後退期(デフレ期)の金融業や不動産業のように潜在的な不良債権や不良在庫が処理または減損されておらず純資産の数値が疑わしいという要因は、時価会計が米国流にせよIAS流にせよあります。日本特有の問題は、終身雇用従業員の過保護が、廃業や赤字部門撤退や資産売却のような思い切った経営を阻んでいる点にあります。資金の出し手ではないにもかかわらず、終身雇用従業員(俗に言う正社員)が事実上“株主”になっているのです。かつて「会社は誰のものか?」という議論が喧しい時期がありました。「会社は株主のものだ」と当たり前のことを言うと、「オマエはハゲタカ(擁護)か?」などと苛められたものです。しかし、日本においては、事実、会社は株主(だけ)のものではないのです。

そして問題の核心は、終身雇用制度を批判すると、「日雇い派遣」制度を擁護している立場だと短絡的に烙印を捺され、そのような金儲け主義は米国流資本主義と同時に終わったのだと地上波を中心とするマスコミが洗脳していること。雇用の調整―マクロの需給だけではなく、衰退産業から成長産業への再配置も含む―は既得権益にしがみついた、その多くの場合、固定給の将来価値に見合う創業精神を伴わない安住型ホワイトカラーが大勢のさばっている分、すべて日雇い派遣またはそれに類する雇用体系の人たちに皺寄せされています。横断面に留まず、多くの愚かな大企業は終身雇用社員の新卒採用を、凝りもせず毎年、景況感という名のドタ勘に基づいて人数調整しているものだから、時系列的に見れば、深刻かつ理不尽な世代間の不平等をもたらしています。

「日雇い派遣」制度を生み出したとして小泉・竹中改革をマスコミが批判するのは、マスコミ会社自身が既に崩壊しているビジネスモデルにしがみついている終身雇用役職員を多く抱え込んでいるからに他なりません。ワーキングプアの理不尽さは大企業に温存されている終身雇用制度の裏側なのです。

ところで、雇われ社長というのは、究極の日雇い派遣であると、私は会社法上の解釈をしております。ときどき普通のサラリーマンに戻りたいと思ったことも過去にはありましたが、お蔭様で今は元気一杯です。
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2008年11月12日水曜日

金の生る木はありませぬ

●原油価格、60㌦割れ-20ヶ月来安値(11/12NYTimesほか)
今年7月の高値から何と59%下落。OPECによるカルテル(産出削減合意)も、世界経済の成長鈍化に勝てなかったとニューヨーク・タイムズ紙。

金も下落。WSJ紙は、「ありとあらゆるインフレ再燃政策を駆使しているのに、商品相場が低迷しているのは、金融機能が相変わらず壊れていることを証明している」と論じています。

●GM、韓国での操業を停止(11/12FT)
ウォン安は関係ない!

●ファニー・メイとフレディ・マック、住宅ローンの条件変更プランを公表へ(11/11WSJ)
9月に国有化された米住宅ローンの巨人。何十万契約にものぼる住宅ローンの条件を債務者寄りに見直し、住宅供給が再び経済成長を引っ張るようにしたいのが趣旨だとのこと。詳細はこれからだが、昨年までに実行されたローン(要保険付、自己破産案件は除外)につき、毎年の元利金弁済が年間所得の38%以内になるように利率を緩和したり、場合によっては元本も一部帳消しにするとの案が出ている。

●7000億㌦の金融安定化法案、実効性に疑問が(11/11WSJ)
アメリカンエキスプレスが銀行持ち株会社となり、GSやモルスタと同様、金融支援対象となったほか、GM等自動車産業についても民主党新政権が既にプログラム適用をと鼻息が荒い。駆け込み寺に次々と殺到する「それなら私も助けてよ」という声・声・声に対して、政治は収拾をつけられるのか?

最後におまけ。
★アーバン転換社債の仮装払込はインサイダー取引の可能性あり-BNPパリバの外部検討委(日本語ロイター、日経)
楽して儲ける方法はありません。その一言に尽きる。
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2008年11月4日火曜日

怪我の功名

●原油価格、月間の下落幅が記録更新(10/31FT)
1983年にニューヨークで原油先物が創設されて以来。原油に限らず、穀物など商品先物全般が急落中。連休中の日経新聞でも大きく取り上げられていました。

●米銀、貸し渋りは続く(11/3WSJ)
連銀調査で明らかに。家計向けも企業向けも貸出基準を厳格化。とくにクレジットカードについては、借り手の信用力にかかわらず、信用枠を削減して行かざるを得ないと。理由として、経済の先行きが不透明であることと、銀行が資本の毀損でリスクに耐えられないという2点が挙げられている。

●GM、10月売上高が前年同月比で約半分!(11/3WSJ)
フォードは30%減、トヨタは23%減。人口増を調整した数値で見ると、第二次世界大戦以降で最悪の月間記録とか。

歴史に残るかも知れない2008年も6分の5が経過しました。まだ、1年を振り返るには早すぎますが、私にとっての2008年の個人的キーワードは「怪我の功名」ということになりそうです。これまでにない激動の一年のなかで43歳の誕生日を向かえることになった雇われ社長4年目突入の今年は、「怪我の巧妙」と呼ぶに相応しい出来事のオンパレードでした。そのエピソードは年末上梓予定のデビュー本に譲らせてください。

本日の記事でひとつだけ言わせて貰えば、エネルギー価格や食料価格のバブルが弾けたのは(予想通りとか当然のこととか評価はさておき)世界金融危機の副産物《怪我の功名》なのかも知れません。
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2008年8月28日木曜日

BNPパリバにヒアリング-金融庁、アーバン問題で【号外】

日本語ロイターがアーバン⇔BNPパリバのスワップという名の裏取引問題について総力取材を行なっています。

(前略)
スワップ契約を開示するべきか否か――。複数のアーバン側関係者によると、アーバン内部でも最後まで議論があった。CB発行の法的アドバイザーになった森・濱田松本法律事務所は、アーバンに対し少なくとも2回、スワップ契約を含むすべてを開示するよう促した。

 しかし、最後までスワップ契約の開示に反対したのはパリバだった、とアーバン側関係者は言う。市場関係者からは「開示してしまえば、パリバがヘッジ目的でアーバン株を売却しようとしても、パリバのポジションを先読みされトレーディング損を被る可能性があったためだろう」との見方も出ている。
(後略)

記事全文はこちら
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPnTK015405520080827

この点、丁度1週間前の8/21(木)朝にアップしました筆者ブログの記事

(前略)
今後は、裏取引の存在と内容について転換社債の発行⇒引受⇒払込と同時に適時開示するべきとして発行会社アーバンに指導しなかった(不作為犯)のか、適時開示をするなと指導した(作為犯)のか、が当局捜査の焦点になってくるでしょう。(後略)

と呼応している点に注目です。
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2008年8月21日木曜日

引受責任とインサイダー

オバマ氏のリード殆ど無くなる―共和党マケイン候補に対して(8/21WSJ)
WSJ/NBCの最新調査。マケイン氏の反撃、クリントン夫人支援陣営取り込み失敗に加え、グルジア情勢がオバマ氏の足を引っ張っている。REUTER調査では逆転とも。

やはり米国人の多くはマッチョな指導者がお好きなんでしょうか?

なお、このWSJの速報記事にはファン・フレッド問題について言及がありません。新旧FRB理事(含むグリーンスパン前議長)が丁丁発止を繰り広げているなか、クリントン政権時代の財務長官だったサマーズ氏の見解は、以前CNBCでのインタビューを聞く限り、経済学者らしくない要領を得ないものでした。

●ファニーとフレディの危機、深まる(8/20FT)
新たな信用枠供与、資本注入の権限を握った米財務省。だが、ここに来て政府の介入=モラル・ハザードという批判を受け、ついに財務省報道官も事態を静観と態度変更を表明。両社の株価は今週初から35%前後下げている。

リーマンブラザースの50%増資-秘密の話し合いは物別れに終わっていた(8/20FT)
韓国と中国の投資家を相手に8月第一週に話し合われていたが、リーマン側が主張する条件(新株の株価)が高すぎたらしい。リーマン側はノーコメント。

リーマンと言えば、旧ライブドアのMSCB(転換価格下方修正条項付新株予約権付社債)800億円超の引受(資金使途はニッポン放送買収)とか、アスクレピオス詐欺(丸紅の偽保証書)に引っ掛かるとか、日本では椿事が続いていますが、リーマン勤務の方々に言い分を聞くとやはり「自分達は可愛いもの。BNPパリバのアーバン転換社債でスワップ裏取引の隠し技には度肝を抜かれた」ということでした。本件、今後は、裏取引の存在と内容について転換社債の発行⇒引受⇒払込と同時に適時開示するべきとして発行会社アーバンに指導しなかった(不作為犯)のか、適時開示をするなと指導した(作為犯)のか、が当局捜査の焦点になってくるでしょう。
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2008年8月20日水曜日

縄文時代の資本市場

月曜日のブログ白馬の騎士は誰なのか?に対してコメントを頂いた読者の方が、米国内にこんなサイトもあると指摘して頂き、わざわざ日本語訳を送って下さいました。大手マスコミからは全くと言って良い程聞こえて来ない論調ですので、長文ですが敢えて引用します。

(以下引用)
ブッシュ、チェイニー、ライスと議会に告ぐ「アメリカはロシアとグルジアから手を引け!新たな戦争反対、NATOはすぐ終わりにせよ」

アメリカ政府は、こんどはロシアに対して、新たな戦争の危険をもたらす新たな軍事行動でもって、脅迫し始めています。私たちはこれに深く関心を寄せています。

ブッシュ政権とアメリカの商業メディアはロシアに対する中傷活動に乗り出しました。しかしアフガニスタンとイラクの占領や、イランへの脅迫と同様、直面するロシアとの軍事対決もまた、ウソなのです。

商業メディアのほとんどが隠している真実は「グルジア大統領ミハイル・サーカシビリは南オセチアという小さな自治州に対し、アメリカとイスラエルによる装備と訓練を受けた彼の軍隊を展開し、市民を殺し、そこに駐留していたロシアの平和維持軍を攻撃した」ということです!そのあとで、ロシア軍が応戦したのです。

サーカシビリはアメリカ主導のイラク占領にグルジアの若者2000人を派遣した大統領で、アメリカは彼の軍隊に武器を支給しています。そして米特殊部隊、イスラエル軍事顧問、傭兵請負会社がグルジア軍を指揮しています。7月には、グルジア軍は米陸軍、米海兵隊と3週間の合同演習を行いました。私たちは、イラクやイラン同様、グルジアもまた、アメリカ石油会社の「獲物」 だということに、気づかねばなりません。グルジアは中央アジアの石油の、重要な中継地点なのです。

アメリカによるグルジアの武装とNATO加盟への圧力が、グルジア軍の南オセチア侵攻の背景にあること、そしてそれが新たな大きな戦争の脅威を創り出したことはたしかです。また、現在ワシントンは、ポーランドとチェコに、その国民の圧倒的反対に逆らってミサイル基地をおくことで、ロシアに脅威を与えています。
新しくNATOに加盟した国々による軍事同盟でロシアを包囲することは、地球全体の平和と安定にとって、最大の危機です。

例えば、以下を思い出してください。

○ ユーゴスラビア= 弱小国民を守るためというウソに基づくアメリカーNATO軍の介入と空爆が、多民族国家ユーゴスラビアを崩壊させ、バルカン諸国をアメリカと西欧列強に支配される小国の集合に変えた。

○ アフガニスタン= テロリストに対する警察行為だというウソに基づき、アメリカーNATO軍は、この国を荒廃と奴隷状態におきながら7年間の占領を推し進めてきた。

○ イラク= ここに来てようやく、大量破壊兵器というウソが明らかとなりアメリカの立場が弱くなったので、NATOのほとんどの国々は、イラクの酷い破壊と占領に加わることを拒否した。

プッシュがグルジアに平和を押し進めるなどということは、誰も信じれません。今や、この(戦争)拡大を止めるだけでなく、NATOを消滅させることで、NATOという戦争マシーンを止めるときが来ています。

グルジアの人びとが自らサーカシビリ勢力を非難する声明を発したことは、戦争に反対する世界中の人びとを勇気づけています。グルジア平和委員会は、こう述べています。「亡くなった数千の子ども、女性、高齢者たち、そして南オセチアとグルジアの住民たちという、この同胞殺しの全責任は、現大統領とその議会とグルジア政府にあります」 (8月11日)

原文は下記サイトから
http://www.iacenter.org/anti-war/handsoffcaucasus
(引用終了)

決して筆者がロシア寄りだから上記引用をしたわけではないことは読者の皆さまにはご理解いただいていると思います。大切なことは、通説という名の“勝てば官軍”歴史観を疑えということ、ナチスのホロコーストや旧日本軍の南京大虐殺のように誰が見ても「悪いのはお前だ」という事案でさえ、軍事裁判で断罪されてはならず、せめて国選弁護人は付けてあげなきゃいけないということです。

●不信を招いた破綻前の起債(8/20日経社説)
アーバン⇔BNPパリバの裏取引付き転換社債。音無しの構えを続けてきた日経新聞が何と社説で牙を剥く。

●ATL社長に呉氏が昇格(8/20日経12頁)
日本アジアホールディングスが筆頭株主であるATLが株式交換で同社の完全親会社に。同社は完全子会社の
社名に変更し、子会社の呉社長が社長に。

念願だった裏口上場が遂に実現。おめでとうございました。
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2008年8月19日火曜日

猿も木から落ちる⇔猿蟹ばなし

筆者がコラムを連載させてもらっている月刊FX攻略。その第3号(9月号)の発売が明後日21(木)に迫りました。全国有名書店で発売予定ですので是非お買い求め下さい。

9月号の筆者コラム「築城3年、落城3日-FXのキャリートレード」の極一部をご紹介しますと、、、

(前略)
FXのキャリートレードは次の理屈で「築城」されるバブルだ。つまり、

①インフレ指標の悪化⇒②政策金利の引き上げ⇒③高金利目当ての資金流入による通貨の上昇⇒④投資過熱による更なるインフレ悪化⇒②に戻る

この循環が起こっているのが現在のユーロ圏であり、しばらく前まで起こっていたのが多くの新興国である(原稿〆切時点7月4日現在)。

(中略)

円キャリーのドル高が信用問題をきっかけに崩壊したように、ドルキャリーのユーロ高も時間の問題だと思うのは筆者だけだろうか?「原油高ドル安=負の連鎖」と囃し立てるマスコミ・エコノミストの気持ちもわかるが、ドル売りを決め付ける一辺倒な“不美人投票”は余りに危険だ。どの国もそれぞれ醜い欠点を持っているのが実情なのだから。
(以下略)

続く10月号の原稿「猿も木から落ちる-それがFXの魅力!?」は筆者が力み過ぎて割り当て文字数を大幅に超えてしましました。月刊FX攻略の編集長に泣く泣く削除された部分をコッソリお見せします。

(前略)
猿も木から落ちる・・・だからFXは個人にとっても魅力的なのだ。ただし、同じ猿でも「猿蟹合戦」の猿は駄目。アーバン・コーポレイション倒産直前の転換社債の引受・払込前後の株価を見るが良い。典型的なインサイダー的、相場操縦的な株価推移。倒産直後にようやく“種”明かしされたのは発行体(アーバン)と引受人(BNPパリバ)の裏取引(スワップ契約)だった。懸命な個人投資家はこんな柿の“種”を喰らいたくはない。今後、監督当局や司法が介入する事態が考えられる(原稿執筆時点8月18日)が、本件が如何に争われようと、情報の非対象性が放置される市場が参加者に次々と見放されることは間違いないのだ。
(以下略)

ちなみに「情報の非対称性が放置される市場」というのは日本株や商品先物のことを言っているつもりです。
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2008年8月11日月曜日

みずほ路チュー問題。あるいは“我慢”と“努力”

予想されたことですが、週末のテレビは北京五輪にジャックされていましたので、週初恒例(時々サボってますけど!?)テレビ批評はお休みです。

かわりに、週末お招きいただいた「みずほ証券T常務送別会」でのお話。

興銀証券時代に大変お世話になったT常務送別会には、30名近くの出席者が集いました。そのうち“みずほグループ”を離れた転職組(辞め興銀とも言う)は僅か数名。一度も転職したことが無い人たちが中心の会というのは筆者にとっては逆に異文化で、「昔はこんなことがあった。彼は今何処何処の部署に異動している」というペースの会話になかなか乗れないもの。

会の後半、主賓のT常務が筆者の左側にお座りになり、曰く「みずほでは“我慢”の連続だった。サブプライム問題発覚以降のこの1年のことじゃないぞ。3社統合以来8年以上ひたすら我慢した。しかしこの間“努力”をしなかった。転職したら一切我慢をしないつもりだ。そのかわりこれからは努力をする。」

努力をしなかった、というのは勿論謙遜だろうけど。

T常務にとって努力の替わりに我慢を選んだ8年間。筆者にとっては我慢し切れずに転職を選んだ8年間だったと整理がつきました。努力が十分だったかどうかは反省を要するけれど。3度の転職、上場会社(グループ)では本来あり得ない恥晒しなクーデターによる失脚などを経て、今更何ら我慢を必要としない境地に辿り着いた今日この頃、もっともっと努力しないとここまでお導き下さった運命に逆らうことになるかもと気合を入れ直した一夜でした。

さて、当然話題となる「みずほコーポレート銀行斎藤頭取『路チュー問題』」。旧富士銀行による美人局説まで飛び出す、システムトラブル以来の下世話ネタになっていますが、その真相は???ヒ☆ミ☆ツ☆です。
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2008年7月22日火曜日

続 社長はつらいよ

●ロシュ、米ジェネンテックを完全子会社化へ(7/21WSJ、FT)
昨日出ていたニュースですが、昨夜のNHKスペシャルを見て急に取り上げたくなりました。

ロシュはジェネンテックの創業者精神を重んずるべく過半株式を押さえつつ上場維持を続けていたが方針変更。ジェネンテック執行部は「聞いてない」とノーコメント。ちなみに同様の関係にある中外製薬については完全子会社化の計画は無いとのこと。

ジェネリック医薬品で日本10位の共和薬品(本社:大阪)がインドのルピン社に買収された様子を描いた昨夜のNHKスペシャル。理系大学院を卒業した俊才を年俸僅か75万円程度で雇い、低コスト高品質の製薬プロセスを導くために妥協無き議論が続けられるインドの医薬品メーカーの研究室。その礎は1975年「海外医薬品メーカーの特許はインド国内メーカーが国内市場向けに開発する分には(製法以外、つまり原料と最終品の成分については)特許切れの如く扱って良い」という法律が出来(現在は廃止)良いものをより安く作る製法を研ぎ澄ましてきた歴史にあると。

特許収支がマイナスで貿易収支はプラスだった日本の高度成長期を彷彿とさせます。

ところで、ルピン社買収の窓口となっていた共和薬品の副社長(創業者のお孫さん)が工場担当に異動した後ルピン側から求められている経営効率化の笛を吹けども踊らない現場の監督に苦労されている様子が痛々しかった。ルピン社が共和薬品の発行済株式の過半を取得したのは去年と報じられており、新株中心だったのか旧株中心だったのか筆者の手元資料では判然としません。インド人との会話では英語でご苦労され、現場でも浮いているとしか映らない姿に、もしかしたらこの三代目は「あんたは株を売ってしこたま儲けたんだからええわなぁ。ウチらはインド人に何時クビにされるかわかれへんし」という従業員の冷たい視線を感じたのは筆者だけでしょうか。勿論、多少なりとも映像的な演出もあったのでしょうが。

●ヤフー、アイカーン氏側の取締役選任で一時休戦(7/21WSJ、FT)
何処の業界も、会社の独立性を保つ経営というのは難しいものです。社長はつらいよ
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2008年5月30日金曜日

後期経営者失業制度

アデランス事件、あちこちの守旧派企業経営者(これを「後期経営者」と呼びます)を震撼させているようですが、筆者がもっと驚いたのは、“ソシアルメディア”では会社側提案否決を是とする声が実に大きいことです。

思えば、ブルドッグソース事件では、「スティールは詐害的株主だ。日本から出て行け!」という論調を民放を中心にマスメディアが形成したものでした。

マスメディアの世論誘導に惑わされず、自らの頭で考え自らの言葉で考えるネット世代に、筆者は快哉を叫びます。

民放マスメディアは、ここまで進化してしまったネット社会では、かつてのように世論を自由に操れないのだと、真摯に反省すべきです。

気持ちはわかります。アデランスやブルドックソースがスティールに脅かされているように、6ちゃんねるは楽天に、8ちゃんねるはライブドアに、10ちゃんねるはソフトバンクに脅かされた(ている)痛々しい経験。。。

実は各社幹部は優秀で、現在の地上波ビジネスモデルが既得権益で守られているだけに過ぎず、ネットと同じ土俵で競争など出来ない(昨日の小池百合子議員じゃないですが「負け戦は戦えない」)ということを自覚している。。。

かと言って前掲ソシアルメディアのコメントにも多くあるように、「だったら株式公開しなきゃ良いじゃない!『金は出してくれ。口は出してくれるな』はまかり通らない」という反論に尽きてしまいます。

民放に限らず、会社役員が既得権益にしがみつき、やるべき改革を邪魔をしている上場企業にも、心ある若手従業員は少なからずいらっしゃるものです。ハゲタカの力を借りなくても若返りをするだけで企業再生が出来るケースを筆者は沢山存じております。

若返りで引責引退すべき董が立った「後期経営者」には別口の失業保険への加入を勧めたい。別口ゆえ次世代からの拠出金はゼロなので、保険料は死ぬほど高いくなりますが(笑)。

ちなみに、1ちゃんねるは株式を公開していないから、ドラマ「ハゲタカ」を放映できるわけですね。役職員のインサイダー取引はいけませんが、それでも筆者はNHKが大好きです。

●米国の“商品先物取引委員会”、原油市場の相場操縦を操作へ(5/29FT,WSJ)
同委員会の委員長は、今月はじめ米国議会で「昨今の先物価格高騰は相場操縦によって引き起こされたものではない」と証言していただけに、異例の朝礼暮改。英国の金融庁とも協力して、投機筋の情報を共有してゆく。

英国では、商品先物は金融庁の管轄なんですね。当たり前のことです。

中国の震災犠牲者が法的アクションを検討(5/29FT)
学校崩落で子供を失った親御さんたちが、弁護士を雇うためのお金を出し合う。

「公共建物の工事の水準が不十分だった責任は地方官僚にある」とFTの記者に答える親御さんが、「仕返しが怖いので、名前は出さないで」というところが中国の暗部を物語る。

●BBALibor、ホントはもっと高い筈(5/30WSJ)
BBA(英国銀行協会)がサンプリングしている大手(欧米)銀行の短期金利。BBAへの日々の申告は、サブプライム信用不安による「割り増し金利」を反映していない過少申告だと、WSJが調査。

「割り増し金利」といえば、90年代の邦銀の「ジャパン・プレミアム」が思い出されます。

どの大手銀行が、本当はどれくらい払わないと短期資金の調達が出来ないか、BBAへの申告数値(銀行Libor)との格差がどれくらいと想定されるか、WSJが判り易くグラフにしています。
http://online.wsj.com/public/resources/documents/info-launch08.html?project=LIBOR08

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2008年5月19日月曜日

資本主義の限界?

日曜日、1年ぶりに田原総一郎さんのサンデープロジェクトを視聴。番組中盤、日本共産党の志位委員長が、マルクスの資本論などを引用しながら、サブプライム問題に端を発する経済恐慌が資本主義の限界ないし終焉を意味する(かもしれない)と論じておられました。規制緩和論者の反論を聞く時間も欲しかったですが、堅苦しい資本論のなかに、含蓄のある箴言が色々あるんだ、と興味をもたれた視聴者も多かったのではないかと思います。

小林多喜二の蟹工船、わたしも中学か高校のときに読みましたが、今ベストセラーのようです。

マルクスほどの、才能と体力と熱意のあるひとが、もし金銭欲まであったとしたら、、、もちろん歴史には「たられば」は無いのですが、きっとウォーレン・バフェットジョージ・ソロスを上回る商売を築いたに違いないと私は思っています。それほどの人間力が商売に向かわず、貧困救済のためのロジックというかプロパガンダをぶち上げることに注がれたことが人類史上ラッキーだったのかどうか?

ウォーレン・バッフェット氏、ドイツに到着-ディールを探しに(5/18FT)
ドイツから入り、スイス、スペイン、イタリアと回る。これらの国の産業を支えてきた多くの同族企業が、事業承継問題や資金調達の問題を抱えているというのがバッフェット氏の問題意識。

日本にはいらっしゃらないのですかねぇ。

●JPモルガン、ベア社員の再就職先を斡旋!?(5/18FT)
ベア・スターンズ破綻+買収により職を失った5000人の社員の再就職を、JPモルガンの顧客、同業他社、出入り業者など最大1800社にCEO直々に手紙でお願い。

ベア・スターンズ買収についての社内外からの批判をかわすことが目的との指摘も。

●マイクロソフト、ヤフーへ新提案(5/19NYT、FTなど)
買収提案の繰り返しではなく、一部事業の譲渡の提案とも見られるが、詳細は未確認。
会社まるごとの買収の交渉は再開されないとなると、アイカーン氏達アクティヴィストの怒りは沸騰するかも。
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2008年5月16日金曜日

社長はつらいよ!?

昨日は終日出張でメルマガも代筆、失礼致しました。

朝、7時台に関西空港に降り立ち、さて大阪市内まで、JR特急はるかで向かおうか、南海のラピートにしようかと気分がテツになったのもつかの間。駅に着いたら、特急は当分無いどころか、快速電車も疎ら。もう一便あとの伊丹行きにすれば良かったのかも知れません。が、新幹線のぞみのように便利なものは益々便利になる一方で、不便なものはどうしてもジリ貧になるのは仕方がないのかとも。

ちなみに、羽田発関西空港行きはボーイング737という中型機で、結構空席がありました。今回、株主優待券をプレゼントしてくれた某氏には感謝していますが、やはり次回からは新幹線にしようかなぁ。

株主優待券が譲渡できるのは、八重洲のチケット屋でも明らかですが、株主の議決権まで譲渡が可能であることを改めて教えてくれているのがカール・アイカーン氏であります。

委任状闘争(プロキシ・ファイト)が、(ヤフー株を)買ったばかり(で、しかもマイクロソフトの提案を断った後の株価下落後ですから自身が損してはいない)にもかかわらず、委任状闘争に持ち込めることについては、日本の商法学者や役人の中には「短期売買の株主の権利濫用(を許す制度)は望ましくない」と批判もあることでしょう。

だけど、日本で、株主代表訴訟を含む株主の権利を行使するのに、6ヶ月の保有が必要というのは長すぎる気もします。

おっと、また墓穴を掘るようなことを書いてしまった、ジョブ・セキュリティの低い雇われ社長でありました。

●SUN HUNG KAI不動産、「お家騒動」発覚(5/15FT)
時価総額450億㌦という香港最大の不動産デベロッパーのひとつである同社のお家騒動は、オーナー会長が「弟たちが先導した取締役会によるクーデターだ」と主張。その主張を裁判所は最後の最後に通す形で仲裁。

どうでも良い記事なんですが、何となく、他人事ではなかったので、書いてみました(汗;)。

●イギリス大手銀行複数が、イングランド銀行との間で「モーゲージ・アセット・スワップ」(5/16FT)
住宅ローン債権と国債を800億乃至900億ポンド規模で交換しようというもの。イングランド銀行が当初想定していた規模の略2倍。

●ブラックストーン、不良資産「買戻し」へ(5/15FT)
昨年、商業用不動産を高値で売り抜け大儲けした同社、安値で買戻しを検討だと。

●リオ・ティント、鉄鉱石で中国を「カウンター・パンチ(?)」(5/15FT)
中国の製鉄業界に対して、65%乃至71%の値上げを要求していた同社、中国当局からオーストラリアの鉄鉱石の運搬許可を遅らせるなど、えげつない交渉の末。新日鉄とトヨタのように仲良くとは行かないのが大陸流!?
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2008年5月14日水曜日

ガバナンスの時代?

昨日の日経新聞夕刊3頁に、「Jパワー取締役に賠償請求-TCI、監査役会に要請」と報道されています。一方、今朝の日経7頁には「TCIに中止命令-政府、Jパワー株買い増し申し出を却下」とあります。

後者(外為法に基づく行政処分)の問題については、各種メディアが追っかけており、拙ブログでは触れません。

前者の問題を「株主代表訴訟」の前段階と捉えると、従来日本では取締役が(私財を投げ打ってまで)経営責任を問われるケースというのは多かれ少なかれ「法令違反」が絡んでいたことが殆どであったのが、法令違反ではない「取締役の業務執行義務違反」でも60億円という大金を(Jパワー取締役3人に)賠償請求するという点で、前例がなさそう、という特徴があると思われます。

会社法は、初めから、取締役の義務違反にとって法令違反は必要要件だなんて言ってないわけでして、海外の禿鷹ファンドや訴訟ファンドは、その点はキチンと勉強していらっしゃるでしょう。

わたしも、解任されないように頑張るだけではなく、穴の毛まで引き抜かれないよう、寝る間を惜しんで頑張りま~す。

●昨夜のニューヨーク市場、小売売り上げは予想上回るも、金融セクターが足を引っ張り、株価はまちまち(5/13FT他)

Fedバーナンキ議長、「米国金融機関は、依然、正常からは程遠い状況」と発言

だが、その一方で、
●Fed、資産バブル対抗策を模索(5/13FT)
「中央銀行はバブル退治に努めるべきではなく、バブル崩壊の余波を緩和することに専念すべき」というグリーンスパン氏の教条を再検証中だとか。

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2008年5月9日金曜日

乱気流から混迷へ、今週末もFX

相場が落ち着きを取り戻すと、どうしても政局混乱という日本の欠点が目に付きやすくなるのは私だけでしょうか?

●IMF、発展途上国の中央銀行に利上げを要請(5/9WSJ)
高騰する原油価格と食糧価格。インフレ圧力に抗するため、主としてロシア、サウジアラビア、中国、東欧諸国という米ドルとの連動性の高い途上国に向けたメッセージ。

中国については、変動相場移行も視野に入れた発言と読める。

●AIG、過去最悪の損失_1-3月決算(5/9WSJ)
89年の歴史で最悪の四半期決算と、NYTimesは報じている。
1250億㌦の資本増強を同時に発表。

ウォール街のサブプライムショックは落ち着きつつあるものの、違う場所では被害拡大の傾向も。

●シティグループ、4000億㌦の資産売却を検討(5/9FT)
4000億「円」じゃないですから、念のため。シティのバランスシートのイメージが無かったのですが、全体の2割相当のようです。

●グーグル、ヤフーとの広告業務提携を歓迎(5/9FT)
どちらが白馬の騎士なのか?グーグルとマイクロソフト??

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2008年5月6日火曜日

吠えてくれ、ヤフーの為に、ブルドック!?

おはようございます。ミャンマーを襲ったサイクロン、韓国の高波、それに比べればわが国のGWの天気予報が外れたことは大した問題ではないです。やはり地球が悲鳴を上げているのでしょうか?

●ブラックロック、UBSのサブプライム資産を150億㌦で購入へ(5/6FT)
UBSは本日が第一四半期の決算発表らしく、ノーコメント。UBSの額面の25%オフの金額。ブラックロックの大株主はメリルリンチです(野村證券ではありません)。

●バーナンキ議長、「住宅ローン規制に柔軟性を」と議会で主張(5/6NYTimes)
競売急増の原因は(かつてのように失業率ではなく寧ろ)住宅価格の下落であり、投機目的やセカンドハウス取得目的が急増していたことが追い討ちを掛けていると指摘。

では、具体案は、との問いに対し、「新規貸出の基準はより厳格に!借り換えニーズには柔軟に対応して欲しい!?」

そんな二重基準は可能なのか???

●「マイクロソフトの提案は“頑固”なものだった」とヤフーCEO談(5/6NYTimes)
グーグルよりヤフーのほうが検索ユーザーが多い日本、楽天みたいなビジネスモデルが成り立つ日本、株を高く買い取ってくれるという提案に総会などで反対する株主が大勢いる(ブルドックソースや阪神電鉄)日本の風土では理解し難いが、、、

「(破談に終わらせた責任を問われ)株主訴訟も避けられない」(FT)との見方、「マイクロソフトの提案(=34㌦)に妥協して何が問題だったのか」(最大株主のCRGI)という怒号など、日本のなぁなぁ資本主義が見習わねばならない点が多い。

最後に、またまた、番外編!?
●外国為替証拠金取引(FX)業者の動揺が止まらない(5/6フジサンケイビジネスアイ)
昨年8月の為替相場急変以降、財務上の脆弱(ぜいじゃく)さなどから経営破綻(はたん)が相次いでいることに加え、証券取引等監視委員会が進めている集中検査で、内部管理態勢に問題を抱える業者の存在が浮かび上がってきたからだ。為替相場が落ち着きを取り戻すにつれ、個人の資金がFXに向かうことも予想されるが、投資家には業者選びを含めた熟慮が求められそうだ。

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